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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2006年5月 アレルギー性鼻炎と花粉症はどう違うのでしょうか?

 そろそろ今年のスギ花粉症、ヒノキ花粉症の季節も終わろうとしています。

 ホッとしている方も多いと思います。また、今年はスギ花粉、ヒノキ花粉の飛散数が少なかったため比較的、軽症の方が多いようでした。皆様にはいかがおすごしでしたでしょうか。

 さて、皆様の中には、新聞、雑誌などで花粉症の記事を読むといろいろな専門用語がでてきて、混乱すると感じておられる方もいらっしゃるのではないですか?そこで今回はごく基本的な用語の御説明をします。

まず、「アレルギー性鼻炎」について。
アレルギー性鼻炎は鼻の粘膜のアレルギー性の病気で、くしゃみ、鼻水、鼻づまりを主な症状とします。原因はアレルギーの原因物質(抗原、アレルゲンとも呼ばれます)が、鼻の粘膜で抗体と反応するからです。

アレルギー性鼻炎は大きく次の2つに分けることができます。

 (1)通年性アレルギー性鼻炎
 (2)季節性アレルギー性鼻炎

 


 

(1)通年性アレルギー性鼻炎

ダニ、ハウスダスト、カビ等、一年中あって、季節に関係のない抗原が原因のアレルギー性鼻炎です。一年中いつでも症状がでます。

(2)季節性アレルギー性鼻炎

特定の季節だけにおきるアレルギー性鼻炎です。花粉症は植物の花粉が原因でおきますから、当然、季節性や地域性があり、ここに分類されます。花粉が原因のアレルギー性鼻炎を「花粉症」と呼ぶのは、花粉特有の季節があることと、眼の症状(眼がかゆくなるアレルギー性結膜炎)や、のどの症状(のどがかゆくなるアレルギー性咽頭炎)など、ダニやハウスダストが原因のアレルギー性鼻炎では、ほとんどみられない症状も伴うからです。

日本では花粉症の原因となる植物が40種類以上もあるといわれており、「花粉症」イコール「スギ花粉症」ではありません。初夏のカモガヤ花粉症、秋のブタクサ花粉症なども意外に多いのです。
ですから「スギ花粉症」はアレルギー性鼻炎のなかの、季節性アレルギー性鼻炎の中の、スギ花粉が原因でおこるものをさしています。

 


 

最初に書きましたように、今年はスギ花粉の飛散数が少なかったので、スギ花粉症の患者さんも軽症の方が多かったのですが、来年の春はどうなるか、もちろんまだわかりません。秋以降のスギ花粉予想等の情報に注意して下さい。

くれぐれも油断なさいませぬよう・・・。

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