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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2010年6月 「耳に関する雑学の話」

ことしは、春の花粉のスギ・ヒノキの飛散が少なく、比較的楽に春をすごすことができた方が多かったと思います。しかし、季節は移り変わり、もう初夏のイネ科植物(カモガヤ、オオアワガエリ等)の花粉症を心配するころとなりました。症状はやはり、花粉症ですので、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの鼻の症状と、眼のかゆみなどの眼症状です。今ごろこのような症状がみられる方は、イネ科植物の花粉症を疑って、耳鼻咽喉科を受診して下さい。

さて、今月は、耳鼻咽喉科の病気のお話ではなく、耳に関する雑学のお話です。実は、先日、上野の国立科学博物館で開催されている、「大哺乳類展 陸のなかまたち」にでかけました。もうおでかけになられた方も多いと思います。たくさんの剥製や骨格標本が展示されていてとても興味深く、おもしろい催しものでした。動物の剥製は動物園の動物のように動くことはないのですが、近くで見ることができ、さわることもできます。やはり本物なので迫力があります。

さて、その展示で、最初に、「哺乳類の特徴」として次の5点が挙げられていました。(以下5つの特徴の説明文は、公式ガイドブックより引用)

哺乳類の特徴1.  体温を一定にたもつ。

「哺乳類の体は毛におおわれ、体温を一定に保つことができる。」恒温動物ということですね。

哺乳類の特徴2.  子を産みお乳で育てる。

「多くの哺乳類は胎盤を通じて母体から栄養を得ながら、成長した子を産む。生まれた子はお乳を吸って育つ。」「哺乳」類ですから。

哺乳類の特徴3.  『耳小骨』

「哺乳類は、耳にある鼓膜で受け止めた音の振動を、中耳という部屋の中にあるツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨という3つの骨を通じ、脳の手前の部屋である内耳に伝えている。
この3つの骨は哺乳類にしかそろっていない。ツチ骨とキヌタ骨は爬虫類では顎の関節をつくる骨として機能している。哺乳類だけが、進化する過程で、これらの骨を頭蓋の中に入れて音を伝えるために使うようになった。」

5つの特徴の3番目に突然耳小骨が出てきてびっくりしました。体内でもかなり小さい骨である耳小骨に突然スポットライトが当たり、ドキドキし、なぜか誇らしくさえありました。

哺乳類の特徴4.  複雑な歯

「爬虫類の歯は何度でも生え変わるが、哺乳類の歯は多くても乳歯から永久歯へと、1回しか生え変わらない、また爬虫類の歯はすべて円錐形の似た形をしているが、哺乳類の歯は食性に対応してさまざまな形態をとる。」

哺乳類の特徴5.  成長のパターン

「爬虫類は死ぬまで体が成長し続けるのに対し、哺乳類は大人のサイズに近づくとだんだん成長が止まる。」

これら5つの特徴の中では「耳小骨を3個もっていること」という点が特異的に感じられました。私にとっては会場に入ってすぐの説明にあった「耳小骨」が最も印象深かったのですが、その他にもおもしろい説明(たとえばハリネズミの針1本1本は毛が進化したものである!! などなど、数えあげればきりがありません。)がたくさんありました。

おとなでも子どもでもそれぞれ楽しめます。会期は6月13日(日)までです。お時間のある方はぜひ一度おでかけ下さい。哺乳類が1億年以上にわたり、いっしょうけんめい環境に適応しようとして進化してきた道のりになぜか感動しました

国立科学博物館の公式ホームページはこちら

 

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