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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2011年3月 子どもさんのスギ花粉症について

3月になりますと陽光も本当に明るく、春を実感します。皆様いかがおすごしでしょうか。
大変多いと予想されたことしのスギ花粉ですが、飛散開始時期は天候の影響で多少遅めになっています。しかし、毎年スギ花粉飛散数が最も多いのは3月ですので、スギ花粉症の方は油断せずに気をひきしめて3月をお過ごし下さい。

今月は「子どもさんのスギ花粉症について」です。

子どもさんももちろんスギ花粉症になります。早い子どもさんでは、2歳でスギ花粉症になるといわれています。花粉シーズンを2回経験した1歳台で血液中にスギ花粉に対する抗体が産生され、3回目の花粉シーズンである2歳台で早ければ花粉症を発症することもあるということです。

厚生労働省の花粉症Q&A集(平成22年度)では「小児スギ花粉症は増加していると考えられています。」と記されています。アレルギー性鼻炎の全国調査2008では、小児のスギ花粉症の有病率は次のようになっています。

 0 〜 4歳 ・・・ 1.1%
 5 〜 9歳 ・・・13.7%
10 〜19歳 ・・・31.4%

年齢が上がると急速に上昇し、10〜19歳の有病率は成人の有病率にほぼ等しくなります。
成人の花粉症患者さんに比べて子どもさんの花粉症患者さんは他のアレルギー性の病気(ダニやハウスダストが原因のアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息など)を合併することが多いといわれています。

花粉症の症状も成人の花粉症でみられる代表的な4つの症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり、眼のかゆみ)のうち、鼻づまりと眼のかゆみ(それと鼻の周囲のかゆみも)が強いという特徴があります。鼻づまりが強いと夜間、不眠がちになったり睡眠が浅くなります。眼や鼻の周囲がかゆいとこすってしまい、腫れてしまいます。重症の花粉症の子どもさんでは、花粉症のためにQOLが著しく損なわれることもあります。

また、子どもさんの場合、スギ花粉の飛散が多い日でも、

○公園など屋外で遊びたがる。
○体育の授業や部活のために屋外へ出ないといけない。
○マスクをかけることを嫌がる。

など、スギ花粉を遠ざけるセルフケアが難しい場合もあります。
治療は成人の治療に準じますが、抗アレルギー薬でも小児に使えるものもありますので、耳鼻咽喉科医に御相談下さい。

親御さんも子どもさんに正しい鼻のかみ方を教える、点鼻薬(鼻のスプレー)や点眼薬(眼薬)を使うときに助けてあげる、ふとんや洗たくものは外に干さない等、できるだけ花粉症の子どもさんが楽に花粉症シーズンをすごすことができるように気を配って下さい。


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