やべ耳鼻咽喉科トップイメージです

Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

当月のTea-break > tea-breakバックナンバー

○ 2012年6月 子どもがよく鼻をいじります。どうしてでしょうか?

季節は巡ってもうすぐ夏です。アジサイがあちこちで咲き、クチナシの花がどこからか匂ってきます。自然の生命力を感じさせてくれる初夏です。

今月は、子どもさんが鼻をいじっている場合、どんなことが考えられるだろうかということです。

 まず鼻の外側をいじる場合。この場合は鼻がかゆいのが原因のことが大部分です。特にアレルギー性鼻炎では鼻がムズムズして指ではなく、腕でゴシゴシこすります。鼻の外側をかいているのに、鼻の内側がただれて出血することもあります。アレルギー性鼻炎の治療をまずしましょう。「鼻をかかない」と言っても子どもさんはがまんすることができません。アレルギーのくすりがきいてくるといつのまにか鼻をゴシゴシしなくなります。

 次に鼻の内側をいじる場合。この場合は鼻がやはりかゆいか、あるいは、ハナクソで鼻がつまっているかです。

 鼻がかゆい場合はアレルギー性鼻炎が原因のことが多く、外から鼻をいじる場合と共通します。ただ、指の爪の先で粘膜をかくと小さな傷ができ、するとそこにかさぶたが付きます。で、そのかさぶたをとるともっと大きいかさぶたがついて…。というようにどんどん大きいかさぶた、つまりハナクソが付着します。意外とこの最初は小さかったのに、今では傷もかさぶたも大きくなってしまったというケースが多いです。

 たしかに、ハナクソをとると鼻の通り方がスッと良くなります。でもかさぶたを早め早めにとってしまうと、傷がなおるひまがありません。おとなの場合、鼻の内側の傷から菌が入りこみ、鼻の先が赤くはれている方を拝見することがあります。これは明らかにいじりすぎです。おとなで、鼻の内側をいじるのが好きな方は、きれい好きの方が多いように思われます。たとえばティッシュペーパーで鼻をかんで最後にティッシュペーパーでグリグリふいたり…。鼻は一日に何回かんでもかまいませんが、ティッシュペーパーでグリグリはしないようにしましょう。

 また鼻の外側をいじる時よりも鼻の内側をいじる時の方が、ずっと鼻出血をひきおこす場合がふえます。あたりまえですが。ちょうどかさぶたが付着する場所が、鼻出血の好発部位であるKiesselbach部位がそのすぐ近くですので、鼻出血の頻度もふえます。

 子どもさんにハナクソをとるなとは言いませんが、少なくとも次のことは約束したいと思います。

(1)鼻血がでるまでやらない。
(2)いたみをかんじたらさわらない。
(3)人前ではやらない。一般にハナクソをいじることは不潔なこととされています。

 もし子どもさんの鼻いじりが相当ひどいという場合は耳鼻咽喉科医を一度尋ねてみて下さい。鼻を全くいじらないようにすることは無理ですが、たとえば鼻に軟膏をぬってかさぶたが付くのを少なくすることはできます。またもしアレルギー性鼻炎があるようならその治療もできます。一度受診してみて下さい。

 

▲ページトップへ

 

やべ耳鼻咽喉科コピーライト
やべ耳鼻咽喉科トップページへ