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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2014年12月 鼻があまり良くないお子様の水泳教室と2015年花粉情報

 11月7日に「立冬」が、11月22日に「小雪」がすぎ、確実に冬に向かっている季節です。東京におりますと四季の変化がわかりづらく、また疎くなってしまいがちですが、さすがにこの季節は、街路樹も落葉し、冬が近いことが感じられます。

 気温が下がりますと、まっ先に気温の影響が出てくるのが、小さいお子さんたちです。鼻がグズグズしているお子さんが増えてきます。今回は、「鼻があまりよくない子どもさんの水泳教室とのつき合い方、水泳教室の通い方」を考えました。

プールの水の中の消毒用塩素はプールでは1ppm以下という基準が設けられており、この濃席に管理されていれば、鼻粘膜を損傷することはありません。
 水泳教室で一番心配されるのは鼻の中にプールの水が入り、鼻の粘膜が障害されることです。どういうことかといいますと、プールの水(低調性)が鼻の組織(高調性)と接し、鼻の粘膜組織の浸透圧が変化してしまいます。

つまり、

鼻の中へ水が入る
  ↓
鼻の粘膜組織に水が接する
  ↓
鼻の粘膜組織の浸透圧が変化する・粘膜組織が障害することもある。
  ↓
鼻の粘膜の透過性が亢進する。(数時間続く)
  ↓
浸透圧亢進にともない、容易に微生物やアレルゲンが侵入する。

この最後の段階は、もともと副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎をもっている場合はさらに悪化します。なぜなら炎症が存在する場合は、鼻粘膜透過性がすでに亢進しており、さらに悪化すると考えられるからです。

 また副鼻腔炎の場合、自然口と呼ばれる鼻の中と副鼻腔とをつなぐ狭い入口がもともと狭くなっています。それがさらに狭くなり、副鼻腔炎の症状が出やすくなります。

 このように書いてくると副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎があると水泳教室はダメなのではないかと思えるかもしれませんが、そんなことはありません。鼻汁や鼻づまりなどの症状が軽い場合は水泳教室を続けることは可能です。ただ子どもさんの副鼻腔炎の症状は日によって大きく変化します。「きょうは鼻汁が多いみたい。」とか「きょうは鼻がつまっているみたい。」という日は無理をしないでお休みして下さい。プールへ行くと、きっともっと悪化します。

 副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎のある子どもさんで一番大切で、だれにでもできることは、プールに入る前と出た後にきちんと鼻をかむ習慣をつけることです。とても簡単なことなのでぜひ皆さん実行して下さい。

 もしもプールに入った後に鼻づまりが強くなったり、鼻汁の色が黄色になったり、頭重感を訴えたりした場合は耳鼻咽喉科医を受診して下さい。場合によっては少しの間プールをお休みする必要があるかもしれませんが、しかたありません。アレルギーの治療を目的に水泳教室へ通う子どもさんも多いかと思いますが、一番大事なことは子どもさんの健康なのですから、少しの間お休みする勇気をぜひお持ち下さい。

〇2015年花粉情報

さて、早いものでもう来年の春のスギ・ヒノキ花粉の飛散予測が出てまいりました。(鬼が笑っている?)
大ざっぱな言い方をすれば、

〇九州・四国・中国地方は昨シーズン・例年(過去10年の平均)より少なめ。
〇近畿・北陸地方は昨シーズン・例年より少なめ。
〇東海・関東・東北地方は昨シーズン・例年より多め。

東海・関東・東北地方は昨シーズン(2014年春)は大変少なかったため、昨シーズンと比べると来年は数倍という数字になってしまいます。

 関東に住んでいるものにとってはあまりうれしくない予測です。
舌下減感作療法のシダトレンの開始は年内のみで、来年は花粉シーズンが終わってからのスタートです。もしシダトレン御希望の方がおられましたら早めの受診をお願いいたします。

 

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