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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2017年6月 スギの舌下免疫療法と6月に増える耳の訴え

 時間の経過するのは本当に早く、もう1年の半分がすぎようとしています。日本では気温も湿度もどんどん上昇している季節ですね。
上着をぬいで、半袖になってすがすがしい時期でもあります。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 今回の話題は2つあります。そのうち1つめは、毎年この季節になるとお話しているように「スギの舌下免疫療法」のことです。そして2つめの話題は、毎年この季節になるとなぜか患者さんがが増える「耳の訴え」についてです。

 まず、スギの舌下免疫療法についてです。今年のスギ花粉症の季節はもうすでに終わりました。当院へ毎月スギ舌下免疫療法薬のシダトレンをとりにいらっしゃるスギ花粉症の患者様に舌下免疫療法のききめをお尋ねしたところ、ほぼ全員有効であったとおっしゃいます。

また1年目よりも2年目の方が有効であったそうです。スギの舌下免疫療法をやってみたいけど効果がイマイチはっきりしないという方もいらっしゃると思いますがどうぞご安心を。スギの舌下免疫療法は想像以上に有効でした。シダトレンを舌下においていても花粉症の抗ヒスタミン薬を内服することは問題なくできますが、特に今年は花粉の飛散がよほど多い日(数日のみ)以外は皆さんほとんど抗ヒスタミン薬を内服せずにすみました。

 そしてそのスギの舌下免疫療法の開始時期ですが、スギ花粉が飛散している時は開始できませんので、6月〜12月となっています。6月1日から可能ですので、もしも興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら6月1日以降に受診して下さい。お待ちしております。

 そして2つめの話題はなぜか6月ごろから増えてくる耳の訴えです。どのような訴えが増えてくるかと申しますと、「耳がかゆい」というものです。なぜ6月になると耳がかゆくなるのかはわかりません。私の予想では、高温多湿になるとかゆくなるのではと考えています。と言いますのも秋〜冬の比較的寒い季節はゼロということはありませんが、少ないのです。気温と湿度がぐっと上がってくる季節に急にふえてきます。

 そして耳がかゆいとおっしゃる患者様たちはほぼ皆さん全員、毎日、耳をたいていは綿棒でいじっています。でも耳そうじの覧でもおはなししましたように耳の中(外耳道)をさわるのは耳そうじの時だけで充分です。その耳そうじも2週間〜1ヶ月に1回で大丈夫です。

 毎日のように耳そうじをなさっている方は「でも耳あかがたまると耳がきこえなくなってしまうのではないでしょうか」という不安感をもってらっしゃいます。ごくごく稀にそういう方もいらっしゃるのも事実ですが、でも本当にそういう方は少数ですし、もしも耳あかで耳がきこえづらくなったら耳鼻科で耳そうじをしてもらえばすぐに聞えるようになります。

 毎日毎日耳の中をいじっていると、耳がいたくなるというよりは耳がつまった感じになることがあります。この様な場合には聴力検査をしますが、明らかな聴力低下を認めない方もけっこういらっしゃいます。耳がつまった感じがするのだが、聴力正常の場合は「いじりすぎ」も原因のひとつとして考えられます。

 また、耳の穴の奥をよくさわっている場合は、耳の穴の奥〜鼓膜が赤くなることがあります。そういう時は、「ピーン」、「キーン」という高い音の耳鳴りがきこえることもあります。

 このように耳をいじりすぎると、予期しない症状が出てくることもあります。ただ耳がつまったり、耳鳴りがする場合、突発性難聴やメニエール病などの、より深刻ですぐに治療しなくてはならない病気と区別しなくてはならないため、必ず耳鼻咽喉科を受診して聴力検査などの検査をして下さい。

 全くの余談ですが、耳そうじをするとき何を使うか、という質問に対し、綿棒、耳かきというのは常識的なのですが、私がお話をうかがっていて驚いたのもの3つは

@マッチ棒
Aつまようじ
そして、B釘!!

@ABを使っている方、今すぐやめて下さい!耳がかわいそうです。大きな事故にならないうちに、ぜひやめて下さい。そこまで耳がかゆいのであればやはり異常なのでぜひ耳鼻咽喉科を受診して下さい。

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