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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2018年4月 子どもさんの鼻汁

 菜の花、パンジー、チューリップそして桜など花々がいっせいに開きはじめました。すっかり春めいてきましたがいかがお過ごしでしょうか。

 暖かくなってきますと冬の間ずーっと垂れていた子どもさんたちの鼻汁も(花粉症でなければ)、徐々に減ってくると思います。お母様方は子どもさんの鼻汁がどのくらいになったら「耳鼻咽喉科へ行ってみようかしら。」とお考えになりますか?
 お母様方もお忙しいし、できれば耳鼻咽喉科へは行きたくないという気持ちもわかりますが、「子どもは鼻をたらしているもの。」なんて考えないで下さい。鼻汁は、痛い急性中耳炎や、いつの間にか耳が聞こえづらくなっている痛くない滲出性中耳炎の原因にもなります。

次のような場合はいかがでしょうか。

(1)緑色や茶色のドロドロした鼻汁
(2)黄色のドロドロした鼻汁
(3)白色のやはり粘りけあるドロドロした鼻汁
(4)透明だが粘りけのある鼻汁
(5)透明で水のようにサラッとした鼻汁

皆様はいかがでしょうか。(1)〜(4)は耳鼻咽喉科受診をお勧めします。
(5)の場合は、くしゃみや目のかゆみを伴う場合は花粉症や、ダニやハウスダストのアレルギー性鼻炎が小さい子どもさんでも疑われるのでやはり耳鼻咽喉科受診をお勧めします。しかしそうでなければ鼻汁をふいたり、吸ったりは必要ですが、注意深く子どもさんを観察していて下さい。もちろん水のような透明な鼻汁が粘っこくなったり、色がついてきたら耳鼻咽喉科受診をお勧めします。

(1)〜(4)の場合は、急性中耳炎や滲出性中耳炎になっている可能性もありますし、そのままにしておくとなってしまうこともあります。耳鼻咽喉科を受診して先生の指示にしたがいましょう。
ちょっと細かくなりますが、鼻汁は前方に垂れる前鼻漏と鼻の奥、つまりのどの方へ垂れる後鼻漏に分けられます。見ためは前方に垂れる前鼻漏の方がよくないですが、後方へ垂れる後鼻漏もいろいろと問題があります。
まず第1に中耳炎の原因になります。これは大人も同様です。中耳炎は病原菌が外耳道を通って耳に入ったからなるのではありません。通常は鼓膜に穴がありませんから外耳道から中耳へ病原菌が入ることはありません。病原菌が上咽頭(鼻の奥、のどの上方)から耳管を通って中耳へ行くためにおこります。その「上咽頭の病原菌」というのはつまり後鼻漏から供給されます。
  あたりまえのことですが、上咽頭に、もしも病原菌を供給する後鼻漏がなければ中耳炎にもならずにすみます。ですから、もし、子どもさんと耳鼻咽喉科を受診しましたら、子どもさんの鼻汁だけはどんなに嫌がって泣いても吸引してもらって下さい。

そして2つ目は、後鼻漏が咳の原因にもなります。前方からいくら鼻汁を吸引してもらってもどうしても後鼻漏はいくいらか残ってしまいます。残った後鼻漏はそのままのどへおりてゆき痰となります。痰が多いと咳が出てきてしまいます。

子どもさんの鼻汁の状態をよく観察できるのは親御さんだけです。鼻汁の色や性状をよく見ていて、そろそろ危ないかなと思いましたらなるべく早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

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