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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2025年10月 「耳が塞がる感じ」、「耳がつまった感じ」がした時

 10月になりやっとやっと涼しくなってきました。 皆様、長かった今年の夏の疲れはとれましたか?やっと秋が来てくれてホッとしているところではないでしょうか。

 秋になって気温が低下し、鼻かぜをひいてしまったとか鼻汁がずるずるしているという方もいらっしゃると思います。そのような方の中で

・耳が塞がる感じがする。
・耳が塞がる感じが治ったり、またなったりする。
・耳が塞がる感じが右耳にしたり、左耳にしたりする。
・耳が急にきこえなくなることがある。でもすぐ元に戻る。
・飛行機に乗った時やダイビングをした時に耳ぬきがしづらい。
 耳ぬきができない。

などなど耳の症状もあるという方はいらっしゃいませんか。このような訴えをなさる方には、後鼻漏が原因という方が少なからずおられます。
なぜ、鼻の症状が主だったのに耳の症状も出てくるのでしょうか。それは鼻の奥で鼻と耳がつながっているからです。外からは見えませんが、鼻の奥には鼻と耳をつなぐ管である「耳管」の鼻側の開口部(耳管咽頭口)があります。耳管は右と左の2つあります。そして通常は耳管は閉じています。

耳管の働きは中耳腔(鼓室)の圧力と今いる場所の大気圧とを等しくすることです。
例えば高速のエレベーターに乗って上昇や降下した時、新幹線にのっていてトンネル内に入ったり出たりした時、飛行機に乗っていて離陸や着陸した時、急激に鼓膜の外側と内側の間の圧力が変わります。高速エレベーターで下降した時、外気の圧力は上昇しますが中耳腔の圧力は変わりません。すると鼓膜が内側に突出し、耳がつまった感じがして音も聞こえづらくなるので唾液を嚥下し、それでも通らない時はあくびをしてみます。また、鼻をつまんで空気を外へ押し出す様なこともします(耳ぬき)。
この「唾液を嚥下する」や「あくびをする」、「鼻をつまんで空気を送る」というのは閉じている耳管を開いて中耳腔と外の圧力を等しくする方法です。耳ぬきをしてすぐに耳がつまらなくなる(つまり通る)場合は良いのですが、耳づまりがひどい時はなかなかもとに戻りません。

そして後鼻漏が多いときもやはり耳管咽頭口を後鼻漏がふさいでしまい、耳が塞がる症状が出てきます。後鼻漏が原因ということがわかれば耳鼻咽喉科で治療をおこないます。

ただここで、注意していただきたいのは同じ「耳がつまる」という症状で発症しても、実は突発性難聴だったという場合もあることです。両者を分けるには検査が必要になりますのでいずれにしろ耳鼻咽喉科を受診して下さい。

また中には耳あかがつまっていて耳がつまる感じがする場合もありますので、耳がつまる感じがしましたら、なるべく早めに耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。外耳が耳あかでつまっていても、中耳が後鼻漏が原因でつまっていても、また内耳が原因でつまった感じがしても(突発性難聴)いずれも「耳がつまった感じ」がします。原因が分からない時は耳鼻咽喉科を受診しましょう。

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