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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2025年2月 2026年スギ・ヒノキ花粉症とのどのイガイガ対策

 節分、立春と暦の上ではどんどん春に近づきますが体感温度ではまだまだ寒いですね。ただ朝や夕は少しずつ日光が当たっている時間がのびているので、これが暦の上で春が近づいているということなのかと妙に納得してしまいます。そして要注意なのが、黄砂、花粉、寒暖差、強風、乾燥の頭文字をとって「春の5K」です。皆様いかがお過ごしでしょうか。

今月のテーマは2点あります。まず、「スギ・ヒノキ花粉症」。そして「のどのイガイガ対策」です。

 人にもよりますが早い方ですと1月から鼻がムズムズしたり、目がかゆかったりというスギ・ヒノキ花粉症の症状がみられていると思います。でも2月上旬の時点では症状がまだまだ出ていない方がほとんどだと思われますので、症状が出る前からとれる花粉症対策をとりましょう。
毎年申し上げていることですが、「まだまだ」は「もう」です。症状が出ていないのに薬を使うことに抵抗がある方もおられると思いますが、少しでも2月〜4月の花粉症のイヤな時期を楽にのり切るために早めの対策を行いましょう。症状が全く出ないわけではありませんがだいぶ楽にすごせると思います。
花粉症対策はこちらをご覧になってください。

■スギ・ヒノキ花粉症の治療

アレルギー性鼻炎の治療として、次の5点があげられます。

(1)セルフケア(原因抗原であるスギ花粉をよせつけない)
(2)薬物療法
(3)手術療法
(4)アレルゲン免疫療法
(5)分子標的治療薬

このうち、だれでも比較的手軽に実行できることとして、(1)と(2)についてまずお話しいたします。

(1)セルフケア(スギ花粉の回避)

外出時
①花粉情報に注意する。
②飛散の多い時の外出を控える。外出時にマスク、メガネを使う。
③表面がけばだった毛織物などのコートの使用は避ける。

帰宅時
④帰宅時、衣服や髪をよく払ってから入室する。洗顔、うがいをし、鼻をかむ。

在宅時
⑤飛散の多い時は窓、戸を閉めておく。換気時の窓は小さく開け、換気は短時間にとどめる。
⑥飛散の多い時のふとんや洗濯物の外干しは避ける。
⑦掃除を励行する。特に窓際を念入りに掃除する。

(鼻アレルギー診療ガイドライン2013)
これらは治療の第一歩で患者さんのみができることです。

 そして最近行っている方が時々いらっしゃるのが「鼻うがい」です。
 鼻うがいについては後で述べます。 

(2)薬物治療

薬物を使う治療で、まず皆さんが思いうかべる治療法だと思います。
最初に「初期療法」と呼ばれる薬の使い方をおすすめします。
花粉症の初期療法は花粉が飛びはじめる前から花粉症の薬(内服薬や点鼻薬)を使いはじめるという治療法です。たとえば、東京では2月上旬から始めることが望まれます。症状が出ていないのに薬を使うことに抵抗を感じる方もいらっしゃると思いますが、次のような効果(いいこと)があります。

①花粉症の症状が始まるのが遅くなる。
②花粉症の症状が軽くなる。
③薬の量や使用回数を減らすことができる。

花粉症などのアレルギー性疾患は症状が悪化する(重くなる)と薬が効きづらくなります。しかし、症状が軽いうちに薬を使いはじめると、花粉の飛散量が多くなった時期でも症状をコントロールしやすく、その結果、そのシーズンの症状を軽くすることができます。
ここで花粉症の薬をのむときの注意です。
①花粉が飛ぶ量は雨や雪などの自然条件で減少する時期もありますが、薬の使用は途中で中断せずに、花粉飛散が少なくなる時期(スギ→4月後半、ヒノキ→5月中旬)まで継続することが望ましい。
②薬によっては眠けをもよおすことがあるため、車の運転、精密な仕事、高い所での作業などには注意して下さい。
③アルコールといっしょに内服しない。
④眠気やだるさが強かったり、他にからだの異常を感じたときは、主治医に知らせて下さい。

(3)手術療法

くしゃみや鼻みずという症状は比較的、薬による治療が有効ですが、鼻づまりにはききづらいといわれています。手術療法は鼻づまりの強い人に、鼻閉の改善を目的におこなうことが多いです。手術の方法には次にあげるようなものがあります。

○電気凝固法
○レーザー手術
○その他

(4)アレルゲン免疫療法

アレルゲン免疫療法はこのコラムでも何度かとりあげましたが、

①皮下注射による方法
②舌下免疫療法

の2つがあり、②スギの舌下免疫療法が平成26年10月から新たにできるようになりました。
実際問題として、注射をうけるために毎週医療機関を受診するということは大変な手間と時間がかかるために、だれでもできるという方法ではありませんでした。その点、舌下免疫療法は、1ヶ月に一度の受診ですみます。痛い注射も受けずに済みます。大変おすすめなのですが、1点だけ注意してください。それは始める時期です。花粉が飛び始めてからはできませんので、今、現在は無理です。
御希望の方は、申し訳ないのですが、来年の花粉症シーズンのためにことしの6月〜12月に来院してください。ことしも1月〜5月は始めることができません。

花粉症シーズン中は、日常生活での生活習慣も大切です。花粉症の症状を悪化させる花粉以外の要因には次のようなものがあります。

①ストレスの多い生活。
②不規則な生活リズム。睡眠不足。
③高たんぱく質や高脂肪の食生活。
④排ガス、大気汚染→排気ガスなどで汚染された大気中の微粒子が免疫反応をおこす抗体を産生しやすくし、花粉症の発症を促進する。
⑤アルコール→鼻閉悪化

(5)分子標的治療薬

これは(2)薬物療法の一部と考えてもよいのですが、今までの薬物療法とは考えてもよいのですが、今までの薬物療法とはかなり考え方が異なるため、ここに記載しました。

 この分子標的治療薬というのは、スギ花粉症の患者様すべてが対象とはならないという点にご注意ください。スギの花粉症の患者様でかなり重症の方対象です。投与方法は皮下注射です。1ヶ月に1〜2回程注射します。

 まずこの「分子標的治療薬」という聞きなれないことばですが、たとえばがん治療薬のオプジーボは1度くらい聞かれたこともあると思います。2018年本庶佑氏がノーベル医学・生理学賞を受賞したことをきっかけに脚光を浴びました。これがスギ花粉症に応用されたものがゾレアです。ゾレアIgEというスギ花粉症をひきおこすおおもとに対する抗体薬です。スギ花粉症患者様のうち、通常の抗アレルギー薬を用いても症状がおさまらない方対象となっております。ですからスギ花粉症の患者様が診療所にもし、はじめて来院されてもすぐにこのくすりを使うわけにはいきません。まず(少なくとも1週間は)通常の抗アレルギー薬を使っていただきます。それで効果が十分でない場合、ゾレアを使う可能性もでてきます。ここで血液検査を行い、スギに対するIgEが6段階評価で3(+)以上あることが必要です。さらに、血液中のIgEの量と体重から注射する量がわり出されます。たいていの患者様は月に1回の注射です。血液中のIgEの量と体重によっては月に2回の注射の方もいらっしゃいます。

 そしてもうひとつの問題点は、この薬が非常に高価であるということです。月に一度の注射で保険の自己負担3割の方(大多数の方です)でひと月に自己負担が約15,000円〜です。これが2〜3ヶ月(2月〜4月)つづきます。
 つまり、通常の内服薬だけでは症状がおさまらないほどのスギ花粉症の患者様でひと月にさらに15,000円〜の自己負担を2〜3ヶ月払ってもかまわないという方がこの薬を使うことになります。たとえばひと月15,000円〜払えば1回の注射で1ヶ月楽にすごせると考える方もいらっしゃると思いますが、通常の内服薬は毎日きちんと内服してでのお話です。

 花粉症の治療の選択肢が一つ増えたということは大変良いことだと思いますが、このゾレアという薬は花粉症の方みんながつかえるというくすりではありません。大変重症である、高価である等のハードルをこえて使うことができるくすりです。

 花粉症シーズン中は、日常生活での生活習慣も大切です。花粉症の症状を悪化させる花粉以外の要因には次のようなものがあります。

①ストレスの多い生活。
②不規則な生活リズム。睡眠不足。
③高たんぱく質や高脂肪の食生活。
④排ガス、大気汚染→排気ガスなどで汚染された大気中の微粒子が免疫反応をおこす抗体を産生しやすくし、花粉症の発症を促進する。
⑤アルコール→鼻閉悪化

 

 次に「のどのイガイガ対策」です。朝、起きてのどがイガイガしていて、「しまった。やっちゃった。」と思うことが特に冬になると時々あると思います。
「痛い」というほどではないですが、イガイガと不愉快です。 たいていはまずツバをゴックンとのみ込んで様子をみます。うがいをしてみることもあります。しばらく経過するとイガイガがなくなることもありますが、たまに、のどがどんどん痛くなってしまったり、熱がでてくることもあります。
こうなると急性咽頭喉頭炎という状態なので薬を内服していただくようですが、そうなる前のイガイガのみの状態でどうにかなおす方法はないでしょうか。
あります。要点は次の2点です。

 1.のどを乾燥させない
 2.免疫力を高める

1.のどを乾燥させない
大体のどがイガイガしていることに気付くのは朝、起床時が多いです。ということは就眠中にのどが乾燥しているのです。つまり「呼吸」しているのです。日中は呼吸をあまり自覚しない人でも就眠中は寝ていてわかりません。また、おきている時は呼吸でのどが乾燥している感じがするとすぐにツバをゴクンとのみ込み、対処しますが、就眠中はどうしても対処が遅れ、朝までそのままで眠ってしまいます。特にいびきをかく人は呼吸をしています。
日中は呼吸をしている人も就眠中は呼吸という場合もあります。呼吸をすると冷たくて乾燥している外気を口から直接のどに吸い込んでしまい、朝、起床する時にのどがイガイガ、カラカラしてしまいます。呼吸では鼻が吸気の加湿、加温をしてくれるので、その心配はありません。

ではどうすれば呼吸ができるのでしょうか。通常は呼吸ですごしていますのでのどのイガイガを感じなければそれでけっこうです。呼吸になってしまうのは鼻閉をきたす次のような場合です。

 @鼻炎、副鼻腔炎など鼻の病気になったとき
 Aアルコールを飲んだ時

@は元の病気を直すことが大事です。Aは飲酒が毎日でなければ、また量が少なければよいのですが・・・。@もAも就寝時にマスクや口をふさぐテープをしてみて下さい。口ではなく鼻で呼吸しましょうということです。
さらにもしお手もとにあれば就眠時に医療機関でもらった点鼻薬(アラミスト、ナゾネックス、エリザスなどなど)も使ってみて下さい。呼吸の効果をより実感できると思います。
(「点鼻薬」として市販されているものは使用後鼻の通りぐあいはとてもよくなるのですが、習慣化しやすいのでお勧めできません。容器の形も似ていて市販されているので簡単に手に入るのですがお勧めできません。)
また就寝する部屋の加湿も行いましょう。

2.免疫力を高める
のどがイガイガするのは疲れた時、睡眠不足の時が多いので、あたりまえですが栄養のあるものをとり、睡眠時間を充分とりましょう。

冬は空気が乾燥しているからのどがイガイガカラカラするんだと考えやすいですが、空気の乾燥に加えて「呼吸」の大切さを実感していただきたいと思います。

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