Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話
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○ 2007年7月 耳がかゆくてたまらない!!
むし暑い季節が始まるとなぜかよくわかりませんが、「耳がかゆい」「耳が痛がゆい」「耳だれが出てきた」「耳がふさがったかんじがする」等の訴えの患者さんがふえます。外耳道湿疹と呼ばれる病気で、耳のあなの湿疹です。耳のあな(外耳道)にも皮膚があり、そこの湿疹です。
1.外的要因
・耳そうじのしすぎ(これが最も多い原因で、ほとんどの患者さんの原因です。)
・中耳炎の耳だれ
・薬剤、化粧品などの化学物質が耳の中に入った
・耳栓、挿耳型ヘッドホン、補聴器等を耳の中に入れている
2.内因的原因
・アレルギー体質
・アトピー体質
症状は、耳が痒い、痛痒い、耳だれがでる、耳がつまるかんじがする等です。多いのは成人ですが、乳幼児にもみられます。乳幼児の場合は、お母さんによる耳そうじのしすぎの場合がほとんどです。治療は一週間に一回位通っていただき、耳の処置をおこないます。点耳液を処方し、おうちで耳の穴に液体の薬をさしていただくこともあります。内因的原因がある患者さんの場合は、アレルギーの薬を内服していただくこともあります。
一見、簡単になおりそうな病気ですが、中にはなかなかなおらない患者さんもおられます。なかなかなおらない原因は、かゆいために御本人がどうしても耳をかいてしまうからです。
正常の外耳道皮膚には自浄作用があります。しかし耳そうじをやりすぎますと自浄作用のように自然から与えられた感染防御機能を低下させてしまいます。おふろあがりも耳内に入ったお湯をふきとるために、綿棒でゴシゴシ耳の奥までふかないで下さい。
耳あかがたまってしまうのではないかと心配な方もおられると思います。しかし耳あかがたまるのは、成人で平均3.5cmといわれる外耳道(耳のあな)の外側1/3にすぎません。外耳道皮膚の自浄作用もあって奥の方には耳あかはたまらないのです。耳の奥の方に耳あかがある場合は、何らかの原因で奥におし込んでしまったと考えて下さい。
「かゆい耳をかくのはとても気持ちがいい」と感じる人も意外に多いのですが、とてもかゆくて耳いじりがやめられなくなったり、痛くなったり、耳がジクジクして何か液体がでてきたらやりすぎですのですぐにやめて、お近くの耳鼻咽喉科を受診して下さい。耳がいたいのもつらいですが、かゆいのも相当つらいものです。
いよいよ7月になり、夏本番となりますが、皆様お元気によい夏をおすごし下さいませ。
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