Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話
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○ 2006年1月 「気になる花粉症!!基本と対策」
明けましておめでとうございます。
一年中で最も寒い季節になりますが、皆様いかがおすごしでしょうか。
「寒い寒い。」と言っていても春はもうすぐです。しかし中には「春がゆううつ。」というスギ花粉症患者さんも多いと思います。何しろスギ花粉症の方は毎年ふえつづけており、現在では5人にひとりはスギ花粉症といわれるようになりましたから。
ここでは花粉症の「きほんのき」から対策「花粉を体に入れない、家に入れない」まで、なるべくわかりやすいようにまとめました。
1:花粉症とは何でしょう?
花粉症とは花粉が原因でおこるアレルギー性の病気です。おもな症状は皆さんよく御存知のとおり、
○アレルギー性鼻炎:くしゃみ、鼻水、鼻づまり
○アレルギー性結膜炎:眼のかゆみ
○アレルギー性咽頭炎、アレルギー性喉頭炎:のどのかゆみ
○アレルギー性皮膚炎:皮膚のかゆみ
などがあります。
参考までに
1)通性性アレルギー性鼻炎:原因物質(アレルゲン)が1年中あるため、症状も1年中みられます。ダニ、ハウスダスト、ゴキブリなどの昆虫、ペット(イヌ、ネコ、ハムスター等)が原因でおきます
2)季節性アレルギー性鼻炎(花粉症):原因となる花粉が飛ぶ季節だけに症状がみられます。スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサなどです。
1)と2)が合併することももちろんあります。つまり、スギ花粉症は、季節性アレルギー性鼻炎の中でスギ花粉が原因でおきるものです。
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2:花粉症をひきおこすもの
春におこるスギ、ヒノキ花粉症がよく知られていますが、スギ、ヒノキ以外にも多くの種類の植物が花粉症の原因となります。
日本では約60種類の植物により花粉症が引き起こされると報告されています。
春 :シラカバ、ハンノキ、スギ、ヒノキ
初夏 :カモガヤなどのイネ科植物
秋 :ブタクサ、ヨモギなどのキク科植物、カナムブラなどのクワ科植物
春だけでなく、夏や秋の花粉症もあります。
春の花粉症は木の花粉のシーズンですが、夏や秋の花粉症は身近にある雑草の花粉のシーズンです。
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3:花粉症の症状を悪化させる花粉以外の要因
- 高タンパク質や高脂肪の食生活・不規則な生活リズム・ストレスの多い生活 → アレルギーをおこしやすくします。
- 排気ガス、大気汚染 → 排気ガスなどで汚染された大気中の多くの微粒子が抗体を産生しやすくし、花粉症の発症を促進するといわれています。
- アルコール → 鼻づまりを悪化させます。
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4:花粉症の症状が現れたときの対策
最も大切な「対策」です。大きく分けて2つあります。1つは御自分でできるセルフケア。もう1つはお薬による薬物療法です。
(1)セルフケア −花粉症の症状を軽くするために自分でできること
- 花粉情報に注意する。晴れまたは曇り、最高気温が高い、湿度が低い、南風のち北風、前日が雨などの日は要注意です。
- 飛散の多い時の外出を控える。特に午後1時〜3時は避けましょう。
- 飛散の多い時は窓、戸を閉めておく。外に干した洗濯物や布団は花粉をよく落とす。飛散の多い日はできれば室内に干しましょう。
- 飛散の多い時は外出時にマスク、メガネを使う。
- 表面がけばけばした毛織物などのコートの使用は避ける。
- 帰宅時、衣服や髪をよく払い入室する。洗顔、うがいをし、鼻をかむ。
- 掃除を励行する。
(2)薬による治療 −花粉症治療の中心になります。
花粉症の薬は、花粉症の症状が出てから飲めば良いと考える人が多いと思いますが、実は症状が出る前からのむ方がよく効くのです。これを「初期療法」と呼びます。
初期療法:花粉が飛び始める2週間前から花粉症の薬を飲み始めて、シーズン中も継続するとより高い効果が得られます。
効果としては、
- 症状の出現を遅らせる。
- 症状を軽くする。
- 薬の量や使用回数を減らすことができる。
花粉症などのアレルギー性疾患は症状が悪化すると薬が効きづらくなります。しかし、症状が出る前に薬を使い始めると花粉の飛ぶ量が多くなった時期でも症状をコントロールしやすく、そのシーズン中の症状を軽くすることができます。具体的には1月下旬ごろから始めると良いでしょう。
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5:薬をのむときの注意
- 花粉の飛散は雨や雪などの自然条件で減少する時期もありますが、途中で中断せずに花粉飛散が少なくなる時期まで継続することが望ましい。(スギ 4月後半。ヒノキ5月中旬。)
- アルコールと一緒に服用しないで下さい。
- 眠くなる薬剤もあるため、車を運転するときは注意して下さい。
6:今年の花粉症の傾向は?
環境省が平成17年12月20日に発表した資料をまとめると次のようになります。
- スギ、ヒノキの花粉の数は関東甲信越地方では平年の半分程度。
- 飛びはじめる時期は、関東地方では2月10日ごろからと予測されています。
大量に花粉が飛散した平成17年春に比べますと、平成18年春に飛ぶ花粉の数は少なくなりそうですが、平成17年春に花粉を多量に取り込んだ後であるため、少量の花粉でも症状が出る可能性があり、油断できません。
確かに花粉症の患者さんにとってはゆうつうな季節ですが、忙しい現代社会に生きる人にとってはそうとばかりも言っていられません。早めに準備をととのえ(初期治療を始める、花粉グッズを用意する)花粉症に負けずに春を迎えて下さい。
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