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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2006年3月 鼻クソがたくさんたまるのは病気でしょうか?

多くの方は「鼻は高くてみばえが良ければそれでよし。鼻なんてただの2つの穴なんだから。」と考えておられると思います。

でも「ただの2つの穴」にも大切なはたらきがたくさんあります。

ざっとあげてみますと

  1. 鼻から吸いこむ空気の温度を上げ、冷たい空気が体の中に直接入らないようにする。(加温)
  2. 同様に、吸いこむ空気の湿度を上げる。(加湿)
  3. 吸いこむ空気のゴミをとりのぞく。(フィルター作用)
  4. においをかぐ。(嗅覚)
  5. 声の音色を作る。(構音作用)例:鼻がつまると鼻声になる。

こんなにあります。

ですからたとえばかぜをひいてちゃんと鼻呼吸ができないと、口呼吸になり、のどが痛くなってしまいます。1、2ができず、3もできないので、細菌やウイルスを吸いこみやすくなり、かつにおいがわからず、5で鼻声になってしまいます。

食物のにおいがわからなくなると味もわからなくなることがあります。ためしに鼻をつまんで食べてみて下さい。味覚にも影響がでていることが理解できます。

また、あまり気づかれていませんが、鼻がつまって口呼吸になっている人は口臭が強くなりがちです。口臭の原因はたくさんあって、もちろん口の中の原因が最も多いのですが、口の中の原因は何もないのに、意外に鼻づまりが口臭のかくれた原因になっている人もいます。

では、鼻は、とおりが良ければ良いほうがいいのかというと、必ずしもそうではありません。通りすぎると、1、2、3が十分できません。ちょっとむずかしいですが、「適当に抵抗があってよく通る」というのが理想です。

さて、鼻クソは3のフィルター作用の結果できたものです。

鼻クソの成分は、(1)吸気中のゴミ(2)鼻の入口の皮膚の皮脂腺からの分泌液と、(3)鼻の奥から出てくる粘液の3者がまじったものです。ほこりっぽいところでは(1)がふえ、鼻のいじりすぎでは(2)がふえ、副鼻腔炎等で鼻汁が多いと(3)がふえます。いずれの場合も鼻クソはふえます。

鼻のいじりすぎでは、指やティッシュペーパーでいじったところに湿疹や傷ができ、ここから細菌が侵入すると、(つまりばいきんが入りこむと)急性炎症を起こして鼻が赤くなったり、脹れたりすることもあります。

こうなると相当痛いです。いじりすぎで出血することもあり、鼻血の原因になってしまうこともあります。こうならないためにもいじりすぎは禁物です。副鼻腔炎がある場合は、耳鼻咽喉科での治療が必要です。

いずれにせよ、あまりにも鼻クソが多いなと感じたら、一度耳鼻咽喉科医に御相談下さい。

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