Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話
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○ 2006年8月 副鼻腔炎(蓄膿症)ってどんな病気?
副鼻腔炎は子どもさんにも大人の方にもみられます。
急性の場合は治りやすいですが、慢性化すると治りにくくなります。ぜひ急性のうちに治療し、慢性化しないようにしましょう。
1.副鼻腔とは
副鼻腔炎というのは副鼻腔の炎症です。副鼻腔という言葉は、なじみの少ない言葉ですね。鼻腔(鼻のなかの空間)に対し、鼻腔のまわりにある空間(顔の骨の中にある空洞)を副鼻腔といいます。副鼻腔は、全部で4対(右側と左側)あります。
○前頭洞(ぜんとうどう)・・・額の部分
○篩骨洞(しこつどう)・・・両眼の間の部分
○上顎洞(じょうがくどう)・・・ほほの後ろ
○蝶形洞(ちょうけいどう)・・・鼻の奥
これらの副鼻腔はいずれも鼻腔と直径2〜3ミリの小さな穴で通じています。
2.副鼻腔炎
副鼻腔炎というのは、詳しくは副鼻腔にある粘膜におきた炎症のことです。炎症がおきますと膿がたまることが多いため、以前は「蓄膿症」と呼ばれていました。副鼻腔炎には、急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎があります。
3.急性副鼻腔炎
急性副鼻腔炎はかぜにひき続いて、細菌感染がおこることが主な原因です。症状は、鼻づまり、膿のような色の鼻汁、急性の嗅覚障害(においがわからない)などですが、これらに加えて各副鼻腔に一致した部位の痛みが感じられることもあります。
つまり、
額の部分がいたい←前頭洞炎
目と目の間がいたい←篩骨洞炎
ほほがいたい←上顎洞炎
眼のまわり、眼の奥がいたい←篩骨洞炎、蝶形骨洞炎
炎症が強い場合、まれに眼や脳に影響がでることもあります。慢性化しないためにも症状があらわれたら、早めに耳鼻咽喉科を受診して下さい。
4.慢性副鼻腔炎
急性副鼻腔炎が慢性化したものです。慢性化する原因には、鼻腔の形(鼻中隔弯曲症など)、アレルギーの関与、栄養状態などいろいろなことが関係していると考えられています。
慢性副鼻腔炎の症状には、ネバネバした鼻汁、鼻づまり、頭が重い、においがわかりづらいなどがあります。場合によっては、記憶力減退、注意力散漫、集中力に欠けるなどの症状がみられることもあります。
さらに副鼻腔炎気管支症候群と呼ばれる、鼻の症状に痰(たん)や咳などの胸の症状が加わる方もいます。
慢性副鼻腔炎で鼻づまりがひどい場合は、鼻の中に鼻茸と呼ばれる炎症性のポリープができていることもあります。
鼻がすっきりしない、変だなと感じましたらぜひ一度耳鼻咽喉科で御相談下さい。
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