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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2007年3月 鼻をすすると耳が悪くなることがあると
             聞きましたがどうしてでしょうか?

 

 今回も耳管に関係したお話です。「また耳管か」と思う方もおられるでしょうが、日常生活でなじみ深い問題もあるため、もう少しおつきあい下さい。

 鼻をズズーとすすると、鼻だけでなく耳にも影響がでます。なぜなら鼻は左右の耳管を介して中耳とつながっているからです。鼻を強くすすると、鼻と耳をつなぐ耳管を介して中耳腔も陰圧になります。

 中耳腔は骨と鼓膜にかこまれています。中耳腔が陰圧になっても骨は変形しません。しかし鼓膜は膜ですので、中耳内が陰圧になると内陥します。(へこみます)もし、たびたび鼻すすりをしますと、鼓膜は内陥したままになったり、また中耳腔に水がたまったり(滲出性中耳炎)、鼓膜が中耳の内側の壁に癒着したり(癒着性中耳炎)、さらに内陥した鼓膜の一部が袋状になって骨をとかしてしまう真珠腫性中耳炎になることもあります。これらの中耳炎は聴力が悪化してしまうため、治療が必要です。

 また、聞きなれない病名だと思いますが、「耳管開放症」の人は「耳が変に聞こえて、鼻すすりをすると治る」ため、鼻すすりを頻回に行ない、中耳の変化もおきやすいといわれています。

 鼻すすりをすると全員がこれらの中耳の病気になるというわけではありませんが、鼻すすりが原因でおこる病的な変化は知らない間に早く進むといわれています。鼻すすりの癖がある人は、早めに耳鼻咽喉科で耳を見てもらった方がよいでしょう。

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