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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2010年2月 花粉症、通年性アレルギー性鼻炎、カゼ、慢性副鼻腔炎の症状の違いは?

 春が近いことを感じる2月になりました。皆様は「春」という文字から何をまず思いうかべますか?残念ながら「花粉症」という、あまりうれしくない、できれば忘れていたい言葉が出てくる方も少なくないと思います。2月はまさにそのスギ花粉症がスタートする月です。東京ではことしは2月中旬にスギ花粉飛散が開始すると予測されています。

 今月は、このスギ花粉症に関係したお話です。時々尋ねられるのが、「アレルギー性鼻炎、花粉症とカゼはどう違うのでしょうか?」さらに「カゼと蓄膿症はどう違いますか?」
たしかに、くしゃみが続いて、鼻汁がズルズルして、鼻がつまった時、「これは何が原因だろう?」と考えますよね。もちろん最も確実な解決法は耳鼻科を受診して診断してもらうことです。しかし、その前に御自身で考える際のヒント、区別のしかたを今月はお話します。

1:花粉症とカゼの症状の違いは?

まず、2月ということなので、花粉症とカゼの違いです。花粉症というのは、季節性のアレルギー性鼻炎で、草や木の花粉が、鼻や目に入り、そこでアレルギー反応をおこす病気です。鼻の症状は、具体的にはよく知られているように、くしゃみ、水のような鼻汁、鼻づまりなどです。また、目の症状は目のかゆみ、流涙、白目の充血などです。これらの症状は花粉が鼻や目の中に入って、アレルギー反応をおこして現われるので、毎年、花粉が飛散する時期の間に限り、みとめられます。また花粉飛散期間は常にみられます。つまり2月から4月〜5月はじめまで続きます。

しかし、くしゃみ、水のような鼻汁、鼻づまりはカゼのひきはじめにもよく見られます。カゼはウイルス感染が原因でかかります。カゼの場合は、くしゃみは2〜3日で改善し、水のようだった鼻汁はしだいに粘り気が加わり、色も透明から白→黄へと変化してゆきます。そして、多くの方は1〜2週間で回復します。また、鼻の症状の他に、のどの症状(咽頭痛や、痰・咳)が加わったり、全身症状(発熱、全身の筋肉痛)を伴う場合もあります。ただし目の症状(目のかゆみ、流涙、白目の充血)はみられません。
カゼの場合は上記のように数日で症状が変化してゆきますが、花粉症では花粉飛散期間中の症状は、ほぼかわりません。

特に、くしゃみや、水のような鼻水が認められるカゼの初期は、花粉症との区別がむずかしいと思いますが、めやすとして、

○目の症状の有無。(目のかゆみ、流涙等が同時にあれば花粉症、なければカゼ。)
○のどの症状の有無。(咽頭痛、咳・痰があればカゼ、なければ花粉症。)
○全身症状の有無。(発熱、全身の筋肉痛があればカゼ、なければ花粉症。ただ、花粉症でも軽い熱感があることもあります。)

これらを参考にしてみて下さい。

2:花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)と通年性アレルギー性鼻炎の違いは?

アレルギー性鼻炎でも、花粉症のように季節性アレルギー性鼻炎の他に、1年を通して症状がみられる、通年性アレルギー性鼻炎と呼ばれるものもあります。通年性アレルギー性鼻炎は、原因となる物質(ダニ、ハウスダスト、カビ、イヌやネコなどのペットの毛等)が1年を通して存在するため、症状も年中みられます。目の症状は通年性アレルギー性鼻炎でもみられますが、季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)より軽いです。
のどの症状や全身症状も季節性アレルギー性鼻炎と同じく、通年性アレルギー性鼻炎でも認められません。

3:花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)と慢性副鼻腔炎の違いは?

花粉症は花粉が原因のアレルギー性鼻炎ですが、慢性副鼻腔炎は慢性の、副鼻腔の、炎症です。両者とも鼻づまりをおこすことはありますが、慢性副鼻腔炎ではくしゃみはしません。鼻汁も、花粉症では、透明な水のような鼻汁ですが、慢性副鼻腔炎ではねばりけのある、場合によっては黄色の鼻汁です。また慢性副鼻腔炎では、目の症状、のどの症状、全身症状の合併はありません。
以上のことをまとめると、次のような表になります。特に、ことし初めて、花粉症が疑われるような症状が出た方は、表をよく見て、御自身の症状と比べてみて下さい。
それでもよくわからない場合や症状がつらい場合は早めに耳鼻咽喉科を受診して下さい。

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