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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2010年5月 「音がきこえづらいかもしれない。」

「音がきこえづらいかもしれない。」とふと感じたら、なるべく早く耳鼻咽喉科を受診し、きこえの検査をしてもらいましょう。「きこえ」は目に見えないので、耳鼻咽喉科で検査をしないと、はたして低下しているのか、そうでないかははっきりしません。難聴の原因にはいろいろありますが、原因によっては治療を早く開始すれば、早く、十分に回復する場合もあります。難聴は、早い発見と早い治療が大切です。今月はきこえの検査のお話です。「私は音がきこえづらいのかもしれない。」と気づくのは、次のような場合です。

○会話の途中でききかえすことが多い。
○呼んでも返事をしないと言われた。
○まちがってきこえた。
○電話の声がきこえづらい。
○家族にテレビの音が大きくてうるさいと言われた。
○警報音や呼び出し音(ピーピー)がきこえづらい。
 などなど。

難聴の原因はさまざまですし、発症のしかたも、ある日、突然に、という場合もあれば数年かけて徐々にゆっくりという場合もあります。いずれにせよ、きこえ方に不安を感じたら、なるべく早く受診してきこえの検査を受けて下さい。

難聴が疑われて受診された場合は、まず、いつごろから、どのように聞こえづらいかをお尋ねし、次に耳の中を見て、耳あかなどがあればこれをとり除いてから、聴力検査をおこないます。まずおこなう聴力検査は、「標準純音聴力検査」と呼ばれる、最も基本となる聴力検査です。ことばではなく、「ピー」とか「ブー」とかきこえる機械的な音を聞き、聞こえたらブザーを押して、聞こえているということを伝える のくり返しです。

たとえば難聴の場合の治療効果の判定も標準純音聴力検査でおこないます。場合によっては標準純音聴力検査の聴力図を見ながら聴力の説明をうけることもあると思います。ここで簡単に聴力図の見方もお話しておきます。

上のようなグラフであらわされます。縦軸が音の大きさ、つまり聞こえやすさです。上へゆくほどよく聞こえ、下へゆくほど聞こえづらい(大きい音でないと聞こえない)ということです。

横軸は検査音の周波数つまり、音の高さです。右へゆくほど高い音(一番右は8000Hz)で左へゆくほど低い音になります。
右耳の聞こえは○―○で、左耳の聞こえはX…Xで表わされます。
*上記の聴力図は、右耳が正常で、左耳が低音がきこえづらい難聴です。

皆さんになじみ深いのは人間ドッグや健康診断の際の聴力検査ではないでしょうか。これらの際の聴力検査も基本的には標準純音聴力検査と同じです。ただ調べる周波数は1000Hzと4000Hzのみです。低い方の音といわれるのが1000Hzで、高い方の音といわれるのが4000Hzです。なぜ1000Hzと4000Hzを調べるのかといいますと、理由があります。

まず1000Hzは日常生活で最もよく使われる、大切な音です。1000Hzの検査で日常生活での聞こえやすさをみます。4000Hzは特に騒音性難聴の際に特異的に低下するため、職場での騒音の影響を見るために調べられます。たとえば、工場や工事現場などの騒音環境での仕事にたずさわっている人で、御本人も知らないうちに低下してしまっている場合があります。

何度もくり返すようですが、難聴は、早い発見と早い治療が大切です。「音がきこえづらいかもしれない。」とふと感じたら、なるべく早く耳鼻咽喉科を受診し、きこえの検査をしてもらいましょう。

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