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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2010年7月 「のりもの酔いについて」

 夏本番前の、気温がやや上下する季節です。おすこやかにおすごしでしょうか。

 梅雨が明けますと、いよいよ学校では夏休みです。御家族で旅行におでかけの機会が増える季節でもあります。その時、人によっては少しゆううつなのが「のりもの酔い」ではないでしょうか。学童期の子どもさんでおこることが多いので、せっかくのおでかけがつらい記憶になってしまっては残念ですので、できれば早めに対処しましょう。早めの対処、準備で完全に防ぐことができるというものでもありませんが、症状を軽くすることができますし、第一、原因や症状、対策がわかっていれば落ちついて対応できます。
のりもの酔いは医学的には「動揺病」といいます。いろいろなのりものでおこります。

○車酔い  自動車(バス、タクシーなど)、馬車、牛車(平安貴族ものりもの酔いに悩まされた!)、山車など
○列車酔い  汽車、電車、新幹線
○船酔い  
○飛行機酔い(空酔い)
○強い振動をおこす遊園地の遊具(ジェットコースター、コーヒーカップなど)が原因の乗り物酔い
○ゾウ酔い、ラクダ酔い  これらの動物は側対歩といって同じ側の前足と後足を同時に動かす歩き方のため、のっていて動揺が大きく酔いやすいといわれています。
○匂い酔い  のりもののタバコやガソリンのにおいなどでおこります。
○3D酔い  コンピューターゲームや最近では3Dの映画やテレビでも。
○宇宙酔い  将来的に宇宙旅行の課題になりそうです。

動揺病の原因は実は、わからない部分もあるのですが、内耳(三半規管や耳石器)の平衡感覚と眼から入る情報との間にずれができ、脳内で混乱して自律神経症状(不快感、冷や汗、吐き気、嘔吐など)をおこすと考えられています。この三半規管の機能の成長の途中(10歳前後)の一時期にのりもの酔いをしやすくなるようです。三半規管の機能の異常でなく、発達の段階と考えて下さい。

もしも動揺病が発症してしまったら…
不幸にも動揺病の症状が出てきましたら、早めに

○衣服をゆるめて楽にする。
○換気をよくする。
○横になる。
○可能なら、のりものからおりる。

できることは限られているので、できれば予防というか、のりものに乗る前に前もって備えておきましょう。
のりもの酔いをおこす4条件というものがあります。

○睡眠不足
○空腹
○急ブレーキ、急発進
○読書

これらを避けるようにすることですが

○のりものに乗る前は充分に睡眠をとる。
○空腹、満腹をさける。脂肪分の多い食事も避ける。なるべく排便しておく。
○服装はゆったりしたもの。きつい下着・ベルト・ネクタイ・厚着は避ける。
○乗っている間はできるだけ頭をシートにつけて、動かさない。できればシートを倒して横になる。
○近くのものを見ない。頭を下方にむけて読書やゲームをしない。遠くをぼんやり見る。
○悪臭、高温、高い湿度を避けるために窓を開ける。換気につとめる。
○チューイング効果(チューイングガム、サキイカ等)で頭をすっきりさせる。
○バスに乗るときは運転手さんのうしろの席に乗って、バスの行く方向を見ている。進行方向に前むきに乗る。
○体調のよい時に少しずつのりものに乗り、自信をつける。

もしも、のりもの酔いをおこしやすいことがわかっているようでしたら、お出かけ前に耳鼻咽喉科医へ御相談下さい。薬を処方することもできます。
準備は早めに、入念にいたしましょう。

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