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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2013年4月 2013年版正しい鼻のかみ方

 明るく、暖かくなり、何となく心もウキウキする春です。
スギ花粉症の方、4月になれば、もう峠は越えました。あと少しの辛抱です。
ヒノキ花粉症の方、4月いっぱいはつらい日もあると思いますが、もう少しです。スギヒノキ花粉症の方々も4月になればどうにかメドもついてきます。半分あるいはそれ以上がもう終わったわけですから。ことしのスギ花粉症は花粉予報の段階でスギ花粉がかなり多いといわれていましたが、実際に飛散が開始しますと、天候にも恵まれ(?)、予想どおりの大飛散でした。

 さて、外来で患者さんとお話をしていて感じることは、鼻をもっとじょうずにかんでほしいなということです。ちょうど7年前、2006年4月のこのコラムに「正しい鼻のかみ方」というテーマで、鼻のかみ方を少し考えました。

そこでは、正しい鼻のかみ方とは、

  1. 片方ずつかむ。反対側の鼻を押さえてかみます。両方いっしょにかんではいけません。
  2. 鼻をかむ前に口から息を吸う。鼻をしっかり押し出すために、空気を吸って準備をします。
  3. ゆっくり、少しずつかむ。一度にかまない。
  4. 強くかみすぎない。少しずつやさしくかんで下さい。

の4点があげられています。
しかし、ここでもう一つ追加したいと思います。

  5.鼻をかんだあと、けっしてティシュペーパーで鼻内をグリグリしない。
   (鼻はかむだけにする)

 ティシュペーパーで力いっぱいグリグリすると目にみえないような小さい傷が粘膜にたくさんつきます。するとそこにかさぶた(=ハナクソ)がつきます。ハナクソ(かさぶた)を指でとると一瞬、鼻の通りは良くなりますが、そのうちさらに大きなハナクソ(かさぶた)がついてしまいます。ハナクソ(かさぶた)をさらにとるとさらにさらに大きなハナクソがつくだけでなく、傷が大きくなって出血してきます。
 実は、鼻中隔(左右の鼻の間の隔壁)の前方はKiesselbach部位という鼻出血の好発部位でもあります。運悪くKiesselbach部位を傷つけると大量の鼻出血が……。ということもありえます。
 鼻をティシュペーパーでグリグリすると、鼻出血の他に、小さい傷から細菌が入りこみ、感染することがあります。鼻のあたま(鼻の先端部分)が赤くはれて、とっても痛いのがこれにあたります。もともと鼻の入口はあまりきれいな所ではなく、細菌はたくさんいます。粘膜が健康であれば、細菌は入りこめませんが、粘膜に小さい傷があれば、そこから細菌は侵入してしまいます。
 ティシュペーパーで鼻内をグリグリやる人は、きっと、とってもきれいずきの人だと思うのですが、鼻の中はかむだけで鼻汁は出ていってくれますからそのままにしておいて下さい。特に花粉症で鼻をかむ回数がふだんよりずっとふえると鼻出血もふえるような気がします。

 正しい鼻のかみ方1〜5はだれでもできることばかりですので、ぜひ皆さんで実行して下さい。

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