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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2013年12月 みみ・はな・のどとタバコ(喫煙)の関係と花粉症情報

 ことしは秋がかけ足でやってきて、そのまま冬に突入しました。かぜをひいていなくても何となく鼻がグズグズしてしまう季節となりました。皆様いかがおすごしでしょうか。
今月のテーマは、「みみ・はな・のど」とタバコ(喫煙)との関係、特に子どもさんです。小さい子どもさんは喫煙しませんから、御両親の喫煙との関係になります。

 喫煙やタバコ環境(本人は喫煙しないが、周囲の人が喫煙する)と健康との関係は、急性や慢性の肺の病気や心臓の病気をひきおこしたり、いろいろな臓器のがんになる率を上げたり、ということはよく知られています。では喫煙やタバコ環境とみみ・はな・のどの病気との関係はどうなのでしょうか。のどやはなは関係ありそうですが、「みみ」なんて関係なさそう、と思いたいところですが、これはブーです。そこで、国内外の文献から、のど・はな・みみなどと喫煙との関係について述べられているものを並べました。

(1)のど

慢性扁桃炎やアデノイド増殖症で扁桃摘出術やアデノイド切除術をする率が高くなるそうです。しかも片親が喫煙者であるより、両親が喫煙者の方がより高くなります。

 

(3)はな

急性・慢性鼻炎、アレルギー性鼻炎になる率が高くなるそうです。成人、子どもに対してタバコ環境が急性、慢性鼻炎の誘因としてまた子どもさんの鼻すすりの誘因として示されています。
別の文件では、両親の喫煙がアレルギー疾患(アレルギー性鼻炎)の発症時期を早めるというものもあります。

 

(3)みみ

滲出性中耳炎や急性中耳炎をくり返す子ども(3〜7歳)の群と中耳炎を罹患していない子ども群を比較して、有意に両親の喫煙本数が多い(19.6本/日)と報告されています。両親の喫煙ですが、特に母親の喫煙と関係があるそうです。


(4)その他

タバコが身近かにあると、タバコの誤飲事故がおこることもあります。タバコの誤飲は大部分乳幼児ですが、ニコチンの致死量から紙巻タバコ1本で致死量になります!! しかし、幸い嘔吐することが多く、また胃に残っていても胃酸により吸収が遅くなることから、実際には発症例は少ないそうです。

以上のように のど・はなだけでなく、みみにも喫煙は悪い影響を与えます。喫煙している本人だけでなく、周囲への影響は測りしれません。特に環境を選べない小さい子どもさんは悲惨です。どうか、小さい子どもさんがいる場所での喫煙はやめて下さい。

〇2014年花粉情報

 そして大変気になる来年のスギ・ヒノキ花粉飛散予測です。
たとえば東京では、2014年春は昨シーズン(2013年春)より多少、少なめですが、例年(最近10年間の平均)とほぼ同じという予測になりました。「例年なみ」というのは、けっして「少ない」ということではなく、「しっかり飛散する」とうけとった方がよい数字です。スギ花粉症の準備はもちろん年が明けてからでかまいません。

また、2014年春のスギ花粉症にはまに合いませんが、2015年春のスギ花粉症対策として、スギの舌下免疫療法がいよいよ2014年中にできるようになりそうです。今までの抗アレルギー薬とは全く異なる、根治療法が期待できる治療です。次のコラムでは、この「スギの舌下免疫療法」について述べます。(予告)

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