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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2015年12月 ダニ・ハウスダストの舌下免疫療法薬

 北風が吹きはじめました。何かとあわただしい師走です。
皆様いかがおすごしでしょうか。

 この欄でもずいぶん以前からお話していました、ダニ・ハウスダスト用の舌下免疫療法薬がついに発売されました。1つが11月19日(木)に、もう1つ別の会社のものが12月に発売されます。皆様もよくご存知のようにスギの舌下免疫療法薬は昨年10月にすでに発売されています。

 今回は舌下免疫療法薬として第2段となるダニ・ハウスダストの舌下免疫療法薬が発売されます。「ついに」と申しますのも、この舌下免疫療法薬というのは、今までのアレルギーのくすりと考え方が全く異なっているからです。今までの抗アレルギー薬はどちらかというとアレルギーをおさえ込んでいるのですが、舌下免疫療法薬は、少しずつ少しずつ病気の原因となるもの(抗原。たとえばダニ・ハウスダストとかスギとか)を体の中に入れ、アレルギーの体質を変えてゆこうという、体の力を利用した治療法です。

 実はこの「少しずつ少しずつ抗原を体の中に入れる」ということは1960年代から日本でも行なわれていました。ただし、それは皮下注射による方法でしたので、頻回に医療機関に行かないといけない、とか注射が痛いとか問題がいろいろありました。ところがこの舌下免疫療法という治療法はこれらの問題点をクリアしてくれました。ご自宅で、舌の下に薬をのせるだけで治療ができるようになりました。もうスギの舌下免疫療法でご存知の方もおられると思いますが、ふつうに仕事をもっていても、舌下免疫療法でなら治療を続けられます。皮下免疫療法ではなかなかこうはいきませんでした。

 ではスギの舌下免疫療法とダニ・ハウスダストの舌下免疫療法のちがいはどこにあるかと問われれば、それは薬の剤形です。スギの場合は液体でした。ダニ・ハウスダストの場合は、2社とも錠剤です。錠剤を舌下に1分ないし2分おいて飲みこみます。飲み込んだあとの5分間は飲食やうがいができません。基本的にはスギ(液体)と同じですが、剤形で少しおどろかれるかもしれません。(ちなみにスギの液体の舌下免疫療法薬も将来的には錠剤もでるでしょう。)

 今まではよいことばかり書いてきましたが、ここからは、よいこともそうでないこともまぜまぜです。
まず、治療効果について。完治〜効果ありまでで約80%。残り20%は残念ながら効果なしといわれています。全員に効果があるわけではありません。

 通院は発売からしばらくは2週間に1回。その後も1か月に1回の通院が必要です。
投与は1日1回毎日します。治療には少なくとも2〜3年はかかります。すぐに効果がでるわけではありません。

 いかがでしょうか。「やってみようかな」と思われた方はぜひお越し下さい。お待ち申しております。

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