Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○　2016年6月　スギの舌下免疫療法について

　5月から6月にかけては新緑が美しい季節です。1年中で木々の生命力を最も実感できるときではないでしょうか。

　スギの舌下免疫療法をなさっている方々、ことしのスギ花粉症はいかがでしたでしょうか。あくまでも私の印象ですが、スギ舌下免疫療法はかなり有効でした。完全に薬（内服、点鼻薬、点眼薬等）がいらないという状態ではありませんが、薬を使っていても、「楽です。」という声をだいぶうかがいました。

　鼻の中をのぞきましても、水様性の鼻汁は鼻内にあることはありますが、少なく、前にたれてくるということはありませんでした。鼻づまりも軽く、完全に鼻がつまるということはありませんでした。今までスギ花粉の季節（2〜3月）は顔を見るたびにお気の毒にという感想しかもてなかった患者様たちがことしは通常の生活を送り、何となくうれしそうでした。

舌下免疫療法の最大の短所は長く時間がかかる。（3年間）ですが、効果をみてみますと、やる価値はあると思います。

　さて、そのスギの舌下免疫療法ですが、はじめられる時期が、1年のうち7か月間（6月〜12月）しかありません。1月〜5月は始められません。なぜかといいますと、スギの花粉が飛んでいる時は始められないのです。1月から、実はごくわずかですがスギ花粉は飛んでいます。症状がでるほどではありませんが。ですから、もし、「私もスギの舌下免疫療法を始めてみたい」というご希望をおもちの方は、これからの6月〜12月にスギの舌下免疫療法を行なっている医療機関をおたずね下さい。ちなみに当院でもやっております。

　スギの舌下免疫療法は始めることのできる時期が決まっていましたが、ダニ・ハウスダストの舌下免疫療法は始める時期は特になく、１年中いつでも始めることができます。ただ、今のところ、スギとダニ・ハウスダストの両方の舌下免疫療法を同時にはできません。残念ながらどちらか片方のみです。

　思えば、舌下免疫療法が始まるまでは、アレルギー性鼻炎の治療は一般に抗アレルギー薬の内服でした。アレルギー性の病気がなおるなんて想像できませんでした。つくづくと医学は進歩しているなと思います。

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