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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2019年8月  口の中の骨隆起(骨の膨らみ)について

 「東京オリンピック・パラリンピック」はもう1年後に迫りましたね。
  1年後の今ごろはきっと「東京オリンピック・パラリンピック」で日本中が沸いていると考えると楽しくなります。時間が経つのは本当に速いですね。

 さて今回は、病気のお話ではなく、普通にみられるもののお話です。
 それは、口の中にできる骨性の隆起のことで「骨隆起」といいます。いわゆる「骨の膨らみ」のことです。上あご、つまり上顎にできるものを口蓋隆起、下あご、つまり下顎にできるものを下顎隆起といいます。

 もちろん痛くもありませんし、非腫瘍性の良性骨増殖といわれています。「ある」、「隆起している」という自覚もない方もいらっしゃいます。
 若年成人に多く、口蓋隆起は女性に多いが、下顎隆起は性別差はないとされています。そして、地域差があって、アジア人とイヌイット人に多いといわれています。
 10歳代〜20歳代に出現し、その後はゆっくりゆっくり発達します。とてもゆっくり何10年もかけて徐々に大きくなってゆくため、御本人もその存在に 気付かないこともあります。

(1)口蓋隆起
上あごの正中にできる骨性の隆起です。舌でさわるとすぐにわかります。本来は痛くないのですが、隆起しているため、やけどしたり、口内炎ができやすくなしますが、なおりにくいということはなく、口の中の他の部位と同じくらいの速さでなおります。

(2)下顎隆起
下顎骨の小臼歯部の舌側(つまり内側)の骨の表面が一部分で境がはっきりと半球状に盛り上がったものを下顎隆起といいます。

 口蓋隆起も下顎隆起もこのように全く痛くないため、特に問題なければそのまま一生すごしてもかまわないものです。大部分の方が問題なくすごします。
 もし問題が生じるとすれば

(1)義歯作成時、義歯の装着不具合で偶発的にみつかる
(2)発声障害
(3)そしゃく障害

などです。このようにどうしてもあると邪魔な時は骨を削る治療をおこなうこともあります。
 ですから最初に「普通にみられるもの」としました。この文を読んでいただいている方も舌の先で上あごや下の歯の内側を探ると気づくと思います。
 隆起があって病的なものとの区別がつかず心配という方は近くの耳鼻咽喉科や歯科を受診してみて下さい。

 

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