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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2020年4月  花粉症とドライノーズ

 ことしの2月〜3月は皆様よく御存知のように新型コロナウィルス感染症に翻弄されましたが、それでも2月になれば容赦なくスギ花粉は例年どおり飛んできます。

 ことしは暖冬の影響で例年より早く症状が出た方が多かったようです。
まだ今の段階では何ともいえませんが、予報で、スギ花粉症は少ないと言っていたほどは楽ではなさそうです。4月からはヒノキ花粉も加わりますので、花粉症の患者さんはひきつづき、薬を使用しましょう。花粉は毎日多量に飛んでいるわけではありません。
花粉の飛散期間中は3〜4日ぐらい多量に飛んでも、そのあとは天候などの条件により数日間飛ぶのが少なくなり、また次に、多量に飛ぶ、をくり返します。花粉の量がすくなくて、症状が楽であっても、次の多量の飛散にそなえて薬の内服は毎日続けましょう。
今、多くの方々に内服いただいている薬(抗アレルギー薬)は内服しはじめればもちろんその日のうちから効きますが、続けて内服するともっとよく効くという薬です。スギもヒノキもシーズンはもう少し続きますが、薬は続けておのみください。スギは4月上旬ごろ、ヒノキは4月下旬から5月上旬までがめどです。

 そして最近、スギが飛び始めて気付いたことを1つ。実は2017年4月にもこのコラムにも書いたことです。「ドライノーズ」ということばを覚えていらっしゃいますか?やはり花粉症の季節に多いのです。鼻の入口が痛くなり、カサカサになり苦痛です。このドライノーズの方が大変多いのです。
 もともとは鼻の入口の粘膜の病変、つまり鼻の中の病変なのですが、ひどくなると、鼻の外側、外から見て見えるところが赤くなることがあります(赤鼻のトナカイ状態)。
でも鼻の外側の皮膚には傷1つありません。鼻の中の炎症が鼻の外側まで出てきてしまっているのです。ここまでくる方は少ないのですが、そうなる前に直しましょう。直し方は比較的簡単で、鼻内を一切さわらないことです。鼻の孔から、ティッシュペーパー、指、綿棒を入れないで下さい。もちろん、ハナクソもほじらないで下さい。でもハナかみはやっていただいてかまいません。かんでもよいのですが、かんだ後にティッシュペーパーで鼻内をついでにグリグリしないで下さい。

 鼻内をティッシュペーパーや指先や綿棒でいじると前述したように炎症をおこす他に、鼻出血が出やすくなることがあります。鼻出血の好発部位はキーゼルバッハ部位(Kiesselbach部位)という鼻中隔の前方が最も多いのですが、鼻の入口をいじると、キーゼルバッハ部位も知らず知らずのうちにいじってしまうことがあり、鼻出血をおこしやすくなります。特に子どもさんの頻回の鼻出血が鼻入口部のいじりすぎ(つまりハナクソのいじりすぎ)の場合、キーゼルバッハ部位を傷つけてしまっていることが多いのです。ハナクソに血液の固まりがまじっていたら要注意です。耳鼻咽喉科に来ていただければ、鼻の中をのぞいて、ある程度は出血部位の目星をつけることが大体できます。お母様に、たとえばキーゼルバッハ部位からの出血であれば、子どもさんの手の指の爪を短く切りましょうとか指示を出すことができます。

 スギ・ヒノキ花粉症の季節は前述しましたようにもう少し、1ヶ月ぐらいですが、くれぐれも油断なさいませんように。もう大丈夫かなと思って薬の内服をやめて、症状が悪化したという患者様を何例も拝見しましたので。また、数は多くないですが、ヒノキの後に初夏のカモガヤ花粉症が続く方もおられます。

 暖かくなって外に出る機会も増えてくると思いますが、花粉症の方はまだまだ油断しない方が良いでしょう。

 

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