Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話
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○ 2020年8月
「耳がかゆい時の注意点」と「お父様お母様が子どもさんの耳そうじをする時の注意点」
いよいよ8月です。1年中で最も暑い季節です。
ことしは子どもさんの夏休みが例年より短くなり、8月に2〜3週間という方が多いようです。かなり変則的ですが仕方ありません。でもその短い夏休みを思いきり楽しんでいただきたいと思います。
今回は前半で「耳がかゆい時の注意点」を、後半で「お父様お母様が子どもさんの耳そうじをする時の注意点」をのべます。
当院ではこのむし暑い季節になると、なぜか外耳の訴えがふえます。
耳がかゆい、耳がいたい、時には耳がつまるかんじがするなどです。
「外耳」というのは耳を、外耳、中耳、内耳と3つに分けると、一番外側、つまり耳介(外から見えている耳)〜外耳道(耳の穴)〜鼓膜までのことをいいます。外耳は痛くなることももちろんありますが、意外に多いのが「かゆくてしかたがない」という訴えです。そういう方のお話をうかがうとだいたい毎日綿棒で耳の中(耳の穴)をさわっている方がほとんどです。耳の穴はさわりすぎますと、じくじく耳だれが出てくることも、かゆくなることも、痛くなることもあります。本来、耳の中は乾いているのですが、じくじくすると最悪の場合、カビが生えることもあります。また、かゆいだけだったのが痛くなることもあります。かゆいだけだと軽く見てはいけません。かゆいのも痛いのも耳の皮膚の炎症が原因です。ただ、耳の穴は行き止まり構造になっていて風通しがとても悪い、自分で耳の穴の中を見ることができず不安になり、ついついいじりすぎる等の原因で直りづらくなっています。
特に「かゆい」方は「痛い」に比べて時間もかかります。「痛い」場合は数日でおさまりますが場合によっては「痛い」がおさまった後に「かゆい」が出てくることもあります。耳の穴は「痛い」場合も、「かゆい」場合も症状が出てきましたら耳そうじ等を一切中止して、患部をさわらないで下さい。よく患者様にお話しするのですが、耳の穴が「痛い」場合も、「かゆい」場合も,気になるとは思いますが、いじればいじるほど痛くなったり、かゆくなったりします。寝ている間に知らず知らずのうちに耳を指でいじってしまうというのは仕方ないですが、起きている間はさわらないようにしましょう。
そして次に「お父様お母様がこどもさんの耳そうじをする時の注意点」をいくつかのべます。
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耳そうじは1ヶ月に1回〜2回でけっこうです。やりすぎはよくありません。
- もしもお子さんがいやがっていたら、それをおさえつけてまでやらなくて結構です。あくまでも、じっとしていてくれることが必要です。体を動かして、じっとしていない場合は耳鼻咽喉科でとってもらってください。耳鼻咽喉科ではもしかするとお子さんをおさえつけて耳そうじをするかもしれませんが、それは仕方のないことです。おさえ方も耳鼻咽喉科では知っていると思いますので、おうちでおさえつけるのとは条件が異なります。
- おうちでやる耳そうじは、目にみえる範囲内にとどめておいて下さい。おそらく耳の入口から1cmぐらいかと思われます。使う道具は綿棒でも耳かきでもかまいませんが、とにかく自分の目でみえる範囲だけにしておいて下さい。目でみえない奥まで道具を入れますと耳あかを奥へ押しこんでしまうこともあります。耳鼻咽喉科では耳の奥まで見られるようにして耳そうじをしています。
- お父様やお母様がお子さんの耳そうじ中の事故としては、耳そうじをしている肘に他のきょうだいが転んでぶつかってきたなんていう、信じられないことがあります。なるべく広いところで、まわりを見回してだれもいないことを確認してから耳そうじを始めて下さい。途中で他のきょうだいが入ってきたら、その日は耳そうじもそこまでで結構です。別の日にまたやって下さい。
また、ご家庭での耳そうじは無理をしないようにして下さい。少しでもだめかもしれないと思ったら、耳鼻咽喉科を受診して耳そうじをしてもらって下さい。耳そうじだけで受診されても全くかまいません。
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