Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話
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○ 2020年12月 2020年スギ・ヒノキ花粉情報(第1報)
今月でことしもいよいよ終わります。ことしの話題は新型コロナウィルス一色でした。皆様お元気でお過ごしでしょうか。
1年前には今の生活は考えられなかった訳ですから、人間、変わろうと思えば変われるんだなとつくづく感じます。夏の暑い時もマスクを手放さず、納涼会や忘年会もリアルのものは全てなし、外食も極力控え、旅行にも行かず、やろうと思えばできるんだと我ながら感心してしまいます。今後、どういう生活が良いのかまだまだ手さぐりの状態が続くと思われますが、人類はきっと乗りこえてゆけると思います。
来年のスギ・ヒノキ花粉飛散予測(第1報)というものが、今年の9月30日に出されました。もう来年の春のことを!と思われるかもしれませんが、植物の世界では半年前から花芽が用意されているといいます。来年の春の花粉飛散予想が気になるところです。
結論から先に書きますと、
「2021年のスギ花粉の飛散開始は、西日本では平年並みかやや早く、東日本、北日本では平年よりもやや早くなりそうです。
花粉飛散予測は、近畿と四国、九州の一部では前年よりやや少なくなる見込みですが、関東、東海では前年より2〜4倍、これ以外の地域も前年より1.2〜2.8倍になる見込みです。(NPO法人 花粉情報協会より抜粋)」
関東、東海では前年より2〜4倍という部分を聞いて、ドキッとされた方も多いと思いますが、実は前年(2020年)春はスギ・ヒノキ花粉の量がとても少なかったのです。新型コロナウィルスでバタバタしていて記憶している方は少ないと思いますが、症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり、眼がかゆいなど)も大変軽くすんでいたと思います。
たとえば、関東地方、東京(千代田区)では、2020年春の花粉の量は2,419個でした。これは過去10年間の平均5,030個の半分以下です。来年2021年の予想は4,004個となっています。2020年の春の2,419個に比べれば4,004個は倍近いですが、過去10年間の平均5,030個と比べれば8割ぐらいです。
「大変少なかった2020年春の2〜4倍」というのは過去10年間の平均の約8割ぐらいなのです。少し安心しましたか?
「過去10年間の平均値」というのはわかりずらいと思います。例えば、2021年からみた過去10年間の平均値は、2011年〜2020年、10年間の平均値です。この10年間の平均値自体も10年前と今では今の方が高くなっています。ですから、例えば「過去10年平均値と同じ」というだけでかなり飛ぶぞと覚悟が必要です。
ここ10年間は平均値といえども決して少ない数ではありません。その8割というと、やはり症状は出てくるでしょう。きちんと準備しておきましょう。
花粉情報協会よりの抜粋の前半部分ですが、飛散開始について、「東日本、北日本では平年よりも早くなりそうです。」とあります。
実は、飛散開始時期は今まで「平年なみ」ということが多く、東日本では2月中旬(ちょうどバレンタインデーのころ)でした。それが、2012年は2月上旬ということなので、花粉症の方は、少し早めに準備が必要かなと思います。
NPO花粉情報協会理事・気象予報士の村山貢司氏によりますと、「スギ花粉がいつ頃から飛びはじめるかは11月以降の気温によって決まります。スギの雄花は11月中旬にはほぼ完成し、その後昼間の時間が短くなり、気温が下がることによって休眠に入ります。休眠期間の11月後半から12月の気温が低いほど休眠から早く覚醒します。休眠から覚醒した後は気温が高いほど開花の準備が進むために1月から2月の気温が高ければ飛散開始が早くなります。2020年の11月は平年並みの気温、12月は平年より低く、休眠覚醒は例年より早い見込みです。また、2021年の1月は平年並みかやや高い気温が予想されます。このために、2021年の春のスギ花粉の飛散開始は例年より5日前後早くなるでしょう。また、ヒノキ花粉はスギ花粉より1ヶ月ほど遅れて飛散が始まります。3月上旬の後半から中旬になる見込みです。」
この2020年9月30日現在の情報の後から、もっと新しい、したがってもっと正確な情報も今後出てきます。花粉症の皆様は、第2報など続報にもご注意ください。
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