やべ耳鼻咽喉科トップイメージです

Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

当月のTea-break > tea-breakバックナンバー

○ 2022年10月 「気象病」について

 秋分の日(9月23日)がすぎますと「秋の日は釣瓶落とし」といわれるように日の暮れるのがとても早くなり、あっというまに夜になり、秋の虫たちがよい声で鳴いています。皆様、お元気におすごしでしょうか。

 今回は「気象病」についてです。
気象病というのは最近時々耳にすることがふえたと思いますが、「気候」の変化によってひきおこされるさまざまな症状の総称です。
例えば「低気圧や前線や台風が近づくと頭痛がする」とか「気圧や気温の変化が厳しい秋は体調を崩しやすい」などという訴えを聞いたことがあることでしょう。
気圧や気温、湿度などの急激な変化が体にとってストレスになり、自律神経のバランスが崩れることが原因のひとつとみられています。一見、耳鼻咽喉科とは無関係のように見えますが、内耳など気圧を感じるセンサーからの信号により自律神経系が交感神経優位となり、それがストレスの刺激となって様々な疾患を惹起するという考え方があり、耳鼻咽喉科も無関係ではありません。耳鼻咽喉科が関係している疾患で、メニエール病というものがありますが、メニエール病の発症者数と寒冷前線の通過には関連があるが、影響を与えている気象要素については不明という論文があります。

気象病は、日本では梅雨のころと夏〜秋の台風のころに多いといわれています。これは梅雨や台風のころには気圧が低くなったり、人体の外から押す力が減り、血管が拡張しやすくなって頭痛、めまい、動悸などの症状が出やすいからと考えられています。

 また、気圧が低下して気管支に加わっていた圧力が急激に低下すると気管支内部が狭くなり、気管支喘息を悪化させるともいわれています。
気温の急激な変化も自律神経の働きを乱しやすく、特に冷気にさらされると血行が悪くなり、肩や頚がこりやすくなり、めまいや耳鳴りがおきやすくなります。

気象病は「気候」という人知の及ばないところが原因なので治療はそれぞれの症状を改善する対症療法となります。ただ、体内の水分の配分を改善するという目的で「五苓散」という漢方薬が使われます。当院でも五苓散はよく処方しますが、比較的有効のようです。

 日常生活でも注意することがあります。ストレスや疲れ、睡眠不足など不規則な生活習慣病はよくありません。自律神経の乱れを悪化させます。睡眠を充分とる、適度な運動をこころがける等、規則正しい生活をこころがけましょう。

▲ページトップへ

 

やべ耳鼻咽喉科コピーライト
やべ耳鼻咽喉科トップページへ