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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2024年4月 スギ花粉症とヒノキ花粉症について

 日本では4月はスタートの季節です。学校や会社など4月スタートが多く、そうでなくても何かしらスタートする方は多いと思います。
 皆様はこの4月から何をスタートなさいますか?

 ところがそのスタートの季節に水をさしてしまうのがスギ・ヒノキ花粉症です。特に4月〜5月はスギ花粉症は終わりつつありますが、ヒノキ花粉症の時期です。スギ花粉症とヒノキ花粉症はスギ・ヒノキといっしょにくくられることが多いですが、細かく見てみると若干違いがあります。
 まず花粉の大きさですが、スギ花粉は直径20μmであるのに対して、ヒノキ花粉は直径30μm〜40μmです。スギ花粉は黄色ですが、ヒノキ花粉はやや赤身を帯びます。
花粉の飛散時期は関東ではスギ花粉は2月〜4月上旬に対し、ヒノキ花粉はそれより1か月遅く、3月下旬〜5月上旬です。

 スギ花粉症とヒノキ花粉症の症状は同じで、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどです。ただ、私の知人は敏感なのだと思いますが、スギ花粉症の目のかゆみとヒノキ花粉症の目のかゆみは違うといいます。ヒノキ花粉症の方がより目がかゆいそうです。
 スギ花粉症患者の約70%がヒノキ花粉症患者といわれており、この方たちは2月中旬から5月上旬まで不愉快な花粉症の症状が3か月近く続きます。たとえ今はスギ花粉にだけ反応する場合も、油断はできません。

 スギ花粉症になってから数年たつとヒノキ花粉症になる方も多いです。
スギ花粉症とヒノキ花粉症は血液中のそれぞれの抗体価をみればわかります。
スギ花粉症とヒノキ花粉症の対策法はあまり差がなく、当コラムでも「スギ・ヒノキ花粉症の治療」として5点ほどあげてあります。 

■スギ・ヒノキ花粉症の治療

(1)セルフケア(原因抗原であるスギ花粉をよせつけない)
(2)薬物療法
(3)手術療法
(4)アレルゲン免疫療法
(5)分子標的治療薬

>>>詳細はこちら(2024年2月コラムへ)

 薬も特にスギ用、ヒノキ用とあるわけではありません。ただ舌下免疫療法の薬はスギ用ですのでヒノキにはききません。スギの舌下免疫療法を行っている患者様が2月からずっと調子よく過ごしておられましたが、3月下旬になりヒノキも飛び始めると急にヒノキ花粉症の症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ等)が出てきたとなげいておられました。
ヒノキ花粉症用の舌下免疫療法の薬が早く完成されることを望んでやみません。

 本年1月21日におこなわれた「関東耳鼻咽喉科アレルギー懇話会」で気象予報士の村山貢司先生が2024年にスギ・ヒノキ花粉飛散予測をお話されていましたが、スギ花粉数は横ばいだが、ヒノキ花粉数は増えているという気になることもおっしゃっていました。そして「2024年春もヒノキ花粉がかなり多くなる見込みで、花粉の飛散期間が例年よりも長くなる可能性が高いだろう」ともあります。

ヒノキ花粉症は関東地方では5月上旬、ゴールデンウィークごろまでです。
ヒノキ花粉が飛ばなくなれば、ヒノキ花粉症の症状はなくなります。ただ鼻腔〜副鼻腔粘膜は花粉症で多大なダメージを受けた後ですので急性副鼻腔炎になりやすい状態になっています。
色のついた鼻が出てきたり、顔面が重くなったり、頭の前の方の頭痛がしたりしたら副鼻腔炎のおそれがありますので、すぐに耳鼻咽喉科を受診してみて下さい。

皆様が4月のスタートをスムーズに始められるように願っております。

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