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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2010年12月 「鼻づまりについて Part2」

今月12月も先月にひきつづき、「鼻閉(鼻づまり)」についてのお話です。

2.両側の鼻づまりをおこす病気

(1)慢性副鼻腔炎
いわゆる「蓄膿症」です。慢性副鼻腔炎で鼻閉感を感じる原因は、

@鼻の中の粘膜が炎症ではれるため。
A鼻汁がたまって鼻の中の空気の通り道がふさがれるため。
B鼻茸(炎症性のポリープ)ができて、やはり鼻の中の空気の通り道をふさぐため。

これらの3点が鼻づまりの原因となりますが、一点だけでなく同時に2点以上が鼻づまりの原因になることもあります。
治療法は、慢性副鼻腔炎の治療になります。

(2)アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎の特徴的な三つの症状は、

・発作的なくしゃみ
・鼻水
・鼻づまり です。

3つの症状のうち、「くしゃみ」と「鼻水」は薬を使う治療が有効な場合が多いのですが、「鼻づまり」に関しては、鼻の粘膜の結合組織がふえて、鼻づまりをおこしている場合は、手術が必要になることもあります。粘膜のはれた部分を小さくする目的で、レーザー手術や化学薬品で焼く方法などがあります。当院ではこの目的でアルゴンプラズマ手術を行なっています。鼻の粘膜を焼くこれらの手術は粘膜のはれた部分を小さくして鼻づまりを改善することの他に、アレルギー反応をおこす粘膜表面を焼くことで、アレルギー反応がおきないようにするという目的もあります。

(3)アデノイド増殖症
子どもさん(乳児〜学童)の場合、鼻の奥にあるアデノイドというのどのリンパ組織のひとつが、もともと年齢的に大きめなのですが、とても大きいと、鼻の孔をうしろからふさぐ形になり、鼻がつまります。アデノイド増殖症が原因で鼻がつまって口呼吸になったり(日常的に口をポカンとあけている。アデノイド顔貌)、いびきをかいたり、中耳炎になりやすかったりといういろいろな症状を伴なう場合は手術(アデノイド切除術)をおこなうこともあります。

(4)点鼻薬性鼻炎
あまり聞きなれない病名だと思います。「点鼻薬」というのは鼻の中に直接入れる薬のことです。液体の薬でスプレー状になっていたり、ポトンポトンと鼻内にたらしたりして使います。市販されているものもあります。鼻づまりをとる目的で使う点鼻薬を、使いすぎてかえって鼻づまりが悪化するのが点鼻薬性鼻炎です。使いすぎると点鼻しても鼻がとおった感じがせず、効いている時間もしだいに短くなり、鼻づまりをとろうとしてさらに点鼻薬を使っていると、一日中鼻がつまってしまうこともあります。
治療法は、ズバリ、点鼻薬を使わないことです。でも、それまでは、1日に5〜6回かそれ以上使っていた人が急に全く使わないのはむずかしいので1日1回寝る前だけに制限してもらうこともあります。
点鼻薬を使っているのに鼻がつまる人や点鼻薬が手ばなせない人は、一度耳鼻咽喉科で鼻の中を見てもらって下さい。点鼻薬性鼻炎の鼻の粘膜の色は、通常のアレルギー性鼻炎の粘膜の色と異なっていますので、診断してもらえると思います。

3.交代性の鼻づまり

右の鼻の孔と左の鼻の孔が交互につまる場合です。通常でも鼻の粘膜は、腫張と収縮をゆっくりくり返しています。
しかし、アレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎では粘膜が腫張した際に強く鼻づまりを感じることもあります。しばらくすると反対側の鼻孔がつまることもありますし、つまった方の鼻を上にして横になってみると、上になった鼻孔がとおり、下になった鼻孔がつまることもあります。鼻づまりをあまり強く感じてつらい場合は、血管運動性鼻炎もアレルギー性鼻炎の治療法に準じて治療をおこないます。

>>>2010年11月のコラム「鼻づまり Part1」はこちら

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