Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話
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○ 2009年4月 お母様方から寄せられた御質問(鼻に関するご質問part4)
いよいよ春らしくなってまいりました。皆様いかがおすごしでしょうか。スギ花粉症の方は、症状が続くのは4月上旬ぐらいまでですのでそろそろ楽になってきているかなと思います。ただヒノキ花粉症ももっておられる方は、5月のゴールデンウィークまで症状が続きます。いましばらく油断せずに、花粉症対策を続けて下さい。
さて今月のコラムは、お母様方から寄せられたご質問の続きです。少し以前のことになりますが、2008年11月〜2009年1月には鼻に関するご質問のうち
○鼻出血 (2008年11月掲載コラムへ)
○アレルギー性鼻炎 (2008年12月掲載コラムへ)
○血管運動性鼻炎 (2009年1月掲載コラムへ)
などについてお話いたしました。今月はこの続きです。主に「副鼻腔炎」に関係するご質問をとりあげます。
<副鼻腔炎についてのご質問>
質問 |
3才女児ですが、鼻汁が出始めてなかなか止まらない場合(ほかの症状、たとえば発熱などはなく元気)、耳鼻科で鼻汁を吸っていただくとよいと聞きましたが、眠れないほどひどくなくても吸っていただいた方がよいのでしょうか? |
回答 |
鼻がとおっていないということは意外につらいものです。特に夜、睡眠中、鼻づまりがあると熟睡できません。鼻汁を吸ってもらって鼻の通りが良くなった方がずっと快適です。鼻汁が鼻の中にたまっていると、鼻が通らないで息苦しいだけでなく、急性中耳炎や、痰、咳の原因になってしまうこともあります。もちろん、鼻汁を吸ってもらう、鼻のおそうじをするためだけに耳鼻科に通院していただいてもかまいません。 |
質問 |
11才女児ですが、大変風邪をひきやすく、注意していてもすぐに副鼻腔炎や中耳炎になってしまい困っております。(毎日抗アレルギー剤を服用しています。) |
回答 |
抗アレルギー剤を服用しているということですので、おそらくアレルギー性鼻炎もおもちなのだと思います。その上で風邪をひくと、黄色い膿粘性の鼻汁がでてきてしまうということなのでしょう。たしかに風邪→副鼻腔炎→中耳炎という患者さんは特に子供さんで時々おられます。これは鼻とのどと耳がつながっているためです。風邪をひいて発熱したり、のどが痛くなったりした後に黄色い鼻汁や痰がでてきたり、咳がではじめる、あるいは耳がつまったり痛くなったりするというコースをとる場合が多くみられます。このような経過をたどったことのある子どもさんは、たとえ鼻汁が少量しか出ていなくても、耳鼻科を受診し耳や鼻を早めに見てもらって下さい。本人が耳を痛がらなくても中耳炎になっている場合もあります。急性中耳炎をくり返しているうちに、慢性中耳炎になり聴力が低下してしまったり、手術が必要になることもあります。たかが鼻汁とあなどらないで下さい。
さて、副鼻腔炎→中耳炎の理由ですが、鼻の奥と耳(中耳)とは耳管という細い管でつながっています。鼻に膿粘性鼻汁がたまると、この中の細菌が耳管を通って中耳腔へ行き、中耳炎をおこすことがあります。耳管は中耳内の気圧を外気圧と等しくするためにあります。耳管のはたらきがよくないと、耳ぬきがうまくできずに耳がつまったかんじがのこってしまいます。風邪をひくたびに中耳炎をくり返す子どもさんの場合、耳管のはたらきが悪い場合が多く、耳管のはたらきを補うために、鼓膜に「換気チューブ」という小さい(直径1mm〜2mm)チューブを挿入する手術を行なって治療する場合もあります。
いずれにせよ、鼻汁がではじめましたら、早め早めに耳鼻科を受診して下さい。 |
質問 |
12才女児です。アレルギー性鼻炎と風邪気味の鼻汁の出方の違いを教えて下さい。 |
回答 |
アレルギー性鼻炎も、風邪の初期も水のようなサラッとした鼻汁がでます。この時点では、区別がつかないこともあります。ただアレルギー性鼻炎では、水のような鼻汁の他の症状はくしゃみや鼻づまりなど鼻の症状ばかりですが、風邪の場合は、初期でも発熱、頭痛、のどが赤くはれて痛いなどの症状が合併することが多いです。アレルギー性鼻炎では何日たっても水のような鼻汁のままですが、風邪の場合は、数日で鼻汁に粘り気が出て色(黄色〜黄緑色)がついてきます。 |
質問 |
12才女児です。副鼻腔炎の予防のための環境の整え方を教えて下さい。 |
回答 |
副鼻腔炎になりやすいというのはある程度体質と考えられます。なりやすいお子さんは鼻がぐずぐずしたら(鼻汁が出始めたら)早めに耳鼻科を受診してください。家庭で気をつけていただきたいことは、栄養と休養(睡眠)です。高学年のお子さんであれば、鼻をかむことができると思いますので、こまめに正しく鼻をかんでください。
○正しい鼻のかみ方 (2006年4月掲載コラムへ) |
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